anezakimanのアブダビ日記

アラブ首長国連邦アブダビ首長国に駐在になりました。そこで出会ったことを綴ります。

Walkman in UAE

気候的にベストな昨今のこの国で、週末中心に歩き回っている。今年に入ってそれなりに歩いた記録は下記である(数字はiPhoneのヘルスケア)。

  • 1月6日(土)、11,164歩、8.8km、自宅近辺を散歩
  • 1月12日 (金)、17,325歩、11.2km、ドバイのPalm Jumeirahを半周強散歩
  • 1月16日(火)、11,230歩、7.7km、Yas Marina Circuitのアリーナを一周(F1コースを毎週日火の2日間一般開放している)

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  • 1月19日、16,346歩、10.5km、アジュマンの海岸、市内を散策
  • 1月26日(本日)、22,121歩、15.7km、家から Yas Islandまで歩く

歩くことは俺にとって唯一の運動であり、ストレス解消活動であり、頭と体を動かしながら探索して好奇心を満たすことであり、趣味である。

日本ではこうした人はいっぱいいると思うが、この国でこれだけ毎週歩いている人はいないだろう。本日は昼の気温25℃、ドライで爽やかな気候であり、散歩には最適な環境だが誰一人として歩いていない(もちろん俺の住んでいる周辺のことであって市中心部の海岸沿いなどにはいると思うけど)。

そもそも道が歩くように設定されていない。もちろん幹線を避けて一般道を歩くわけだが、歩道がないところも多く、砂の混じった道路外を歩くか、車がガンガン飛ばす中で車道のギリギリ端っこを歩くことを余儀なくされる。

本日のYas Islandまでの道のりはさすがに長かった。家を朝11時45分に出て、途中ベトナム料理の店でフォーを昼食として食べて休息を取った。そこまで1時間、そのあとひたすら歩いて2時間でYas IslandのIkeaに着いた。そこでちょっと買い物をして、そのまま進んでYas Mallのカルフールで食材を買って、帰りはタクシーでわずか15分で家に戻ってきた。。

こんなことに一体どんな意味があるのか、ただの趣味無しオヤジの暇潰しか、哲学者の深遠な思索のための散策か。答えがあるかどうか分からないが、歩くことの歴史的・文化的意味をテーマにした本を見つけ、読み始めている。

ウォークス 歩くことの精神史

ウォークス 歩くことの精神史

 

筆者は冒頭でこう記す。

たいていの場合、歩行とは二つの地点を結ぶほとんど無意識的な移動手段でしかない。しかし思索や儀式や観想と重なることによって、歩くという行為には特殊な領域が形成されている。それは手紙を運ぶ郵便夫や列車に向かうオフィスワーカーの動作と生理学的には同じでも、哲学的には異なる。つまり、歩行という主題は、わたしたちがありふれた行為に賦与している特殊な意味を考えることともいえる。食事や呼吸がさまざまな意味を担っているように、歩行が担いうる文化的な意味には大きな幅がある。セックスから宗教、さらに革命から芸術まで。ゆえにその歴史は、想像力と文化の歴史の一隅を占める。さまざまな時代の多様な歩行者たちとその歩行は、いかなる歓びや自由や価値を追求するものだったのだろうか。

これはなかなか興味を引くね。 まあとりあえずは難しいことは言わずに体と心の健康のためにせっせと歩くことにしよう。たとえそこに歩道が無くとも。