anezakimanのアブダビ日記

アラブ首長国連邦アブダビ首長国に駐在になりました。そこで出会ったことを綴ります。

ニッポン滞在記その1:富良野、そして「北の国から」

夏休みを取っていて、20日以上振りの更新だ。8月8日の晩にアブダビを発って日本に帰国、昨日23日夜中に帰ってきたので、15日間日本にいたことになる。この間、実質1日だけ会社に出社したが、あとはずっとフリー。いやー本当にのんびりリラックスできた日々であった。

ニッポンは素晴らしい、amazing、marvelous だ。これからニッポンでの滞在中の出来事を何回かに分けてアップしたい。まずは今回の夏休みの目玉、家族との3泊4日の北海道富良野旅行。

夏休みの過ごし方を家族と相談した際、俺がこだわったのは自然だ。砂漠の地に暮らしていると大自然が恋しい(もちろん砂漠も大自然ではあるが)。ビーチでのんびりという声もあったが、結局俺の提案した北海道富良野の自然を楽しむということになった。4日間のうち、前半2.5日はずっと雨、3日目の午後は曇り時々雨、この間気温は10℃台前半と凍えるような寒さ。それでも4日目は快晴となり、冷涼な北海道の天候の中で自然を楽しむことができた。以下富良野周辺。

f:id:anezakimanAD:20180824165110j:imagef:id:anezakimanAD:20180824165136j:imagef:id:anezakimanAD:20180824165601j:image美瑛の町からほど近い場所に、最近パワースポットとして人気となっている人口湖があって寄ってみる。一本道で大混雑していて時間が掛かったが、なんとかたどり着く。名前そのままの「青い池」だ。確かに幻想的な風景。

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到着した次の日は、富良野から車で1時間半の旭山動物園に行った。日本最北の動物園でありながら、行動展示というコンセプトを打ち出し、日本で最も人気のある動物園だ。当日は肌寒い雨天にもかかわらず、アジア系の観光客含めて大勢の人が訪れていた。我々は5年前にも訪れているが、改めてダイナミックな動物の動きを楽しんだ。

目の前まで迫ってくる堂々たる皇帝ペンギン。

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おおかみの森。こんな風に近くで見ると迫力満点。

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旭川市営動物園であり、一時は財政難から廃園必至といわれた状況から、展示の仕方に知恵と工夫をこらし、一つひとつ変えていった物語は当時本や映画にもなった。ニッポンのイノベーションのひとつのカタチとして、俺も感銘を受けた。相変わらず活気のある様子で嬉しいものだ。

 北海道の味覚としては、こっちで食べようと決めていたのがお寿司とジンギスカン。旭川で地元一番人気の「回転寿しトリトン」という回転寿しに行く。これがなんと2時間待ちの大混雑。それでもせっかくだがらと本を読みながら待った。これが鮮度の良さ、種類の豊富さ、そして味もコスパも絶品。待った甲斐がありました。

ジンギスカンは、中富良野町の「ひつじの丘」というひつじ牧場隣接のレストラン。こちらもミシュランに紹介されている有名店で1時間待ち。臭みがまったくなく、こちらの方も絶妙なお味であった。それにしてもこの時期の北海道、有名な店はどこも大変な混雑振りだ。

美瑛・富良野地区で売り出し中新名物のカレーうどんとオムカレーを食べる。後者は新鮮な地元牛乳、野菜、富良野メロン付きで900円。どちらも美味しくいただく。

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これらの地域の新鮮な食材を活かした地元振興への熱意は素晴らしい。

さて、富良野といえば1981年から放映されたドラマ、「北の国から」の地。富良野市街地から20キロほど行ったドラマの舞台である麓郷に行く。当時の家やロケ地が3ヶ所ほど観光地となっている。

最初に移り住んだ家。

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2番目に住んだ丸太の家。 

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 すべて廃材を使った「拾ってきた家」。

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これらの情景と、うっすらと覚えているドラマの記憶に触発され、「北の国から」をもう一度見たくなった。北海道から帰ってきてから家近くのTSUTAYAに行ってみると、ドラマ編のDVD12巻(全24話)が置いてあり、全部借りて家で観る。父と子供たちの触れ合い、父と息子の交流・反発、家族の優しさ・葛藤、男女の愛情・別れ、人々の助け合い・思いやり、大都会と厳しい自然に囲まれた地方の違いや矛盾といった幾重にも織りなす重厚な人間模様が、富良野の大自然の厳しさ・美しさを背景にして描かれている。改めてこの壮大な人間ドラマに魅了され、2日間ぶっ通しで観つづける。今では、さだまさしの「🎵あーあー、あああああーあ」のくだりを聴くだけで涙腺が緩む。

大自然のどうしようもない厳しさ、それに立ち向かうことなく折り合いをつけて適合していこうとする志向、神を信じたり自然の様々な現象に神を感じる精神、家族や人同士の尊敬や助け合いの気持ちなど、唐突かもしれないが、ここにはイスラームの精神とも符合する一面があると感じたりしている。

というわけで、ニッポン北端の地を舞台とした大自然、知恵、食、人間ドラマを満喫したのであった。