anezakimanのアブダビ日記

アラブ首長国連邦アブダビ首長国に駐在になりました。そこで出会ったことを綴ります。

両親とアブダビで過ごす至福

我が両親がアブダビにやってきた。満年齢で父親80歳、母親77歳。そんな老齢の父母が、二人だけで実家のある新潟からはるばるやってきてくれた。大変ありがたく、嬉しいことである。

実家を出て親と離れて暮らすようになってから、すでに40年近く経つ。普段の接点はそれほどなく、盆暮れ正月に帰省することはあるが、2-3日過ごせば長い方で、しかも俺の家族が一緒の場合がほとんど。

今回は正味8日間ほど単身の我が家に滞在、親子3人きりの生活である。我が田舎は俺がいたころは大家族だったので、おそらく人生で最初で最後の父母息子だけの時間であろう。俺のアブダビ生活16ヶ月で得た知識と知見を総動員して、喜んでもらわねばなるまい。親孝行せねばなるまい。

まずはサッカーアジアカップである。準々決勝でベトナムに勝った後、スタジアムで試合を観戦したいという要望に応えて直ちにチケットを確保、既述通りアルアインとアブダビでの準決勝、決勝を一緒に観た。

砂漠ツアーにも一緒に出かけた。4WDの車で砂漠での激しい練り走り(これには母親が気分悪くなって冷や汗をかいたが)、ラクダ乗り、夕陽眺め、カンドーラやアバヤを着ての記念写真、アラビア料理のブッフェ夕食、ベリーダンスショーなど、午後3時から9時までたっぷりとアラブ砂漠体験をしてもらった。
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主要都市観光編。アブダビでは、グランドモスク、ルーブル、ヘリテージビレッジ、エミレーツパレスホテルを巡り、ドバイではスパイススーク、アブラ(木造の渡し船)によるドバイクリーク横断、そしてブルジュ・ハリファの124/125階の展望台、ドバイモールでの買い物など。

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ドバイでは中国春節前休暇と重なり、どこも中国人団体で大混雑であった。アルアインはこれも既述通り一通りの有名どころは周った。

田舎から出かけて来たので、親族縁者近隣住民への大量のお土産を買う必要があった。ますは定番のパッチ・チョコレートを5キロ分買う。

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デーツを買いにミナザイードにあるデーツ・スークに出かけて、有名ブランドではないが素朴なデーツも買い込んだ。

お出かけ以外に、家で過ごしてもらうことも多かった。我が家には日本語の新聞やテレビが一切なく、ネットも老齢ゆえ使えず、電話も使えず、俺も日中は出勤して不在だったので、どう過ごしてよいのかわからなくて結構フラストレーションが溜まっていたらしい。

それでも近くのショッピングモールのスーパーに二人で買い物に行って、家で仲良くキッチンに立って、

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 俺の大好物の郷土料理の根菜中心とした煮物(一般用語でのっぺい、俺の田舎ではコ二モンと称している)を作ってもらって(一部日本から食材を持参)、

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気候の良い朝のベランダで一緒に朝食を食べたりした。 

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夜は父親と酒を飲み交わしながら政治や時事談義をしたり、母親の愚痴を聞いてあげたりして、ほとんど一緒に過ごした。

外食にも出かけた。ランチではDragon Bao Bao Cafeteria の刀削麺と餃子、New City Palace Restaurant の海鮮スープ鍋、夕食は韓国料理の名店 Madang に、もはやアブダビ和食の殿堂とも言える MATSU の寿司カウンター。寿司職人のSさんと田舎が隣同士で話が弾んだ。どれも美味しい美味しいと言って食べてくれた。

老齢の日本人夫婦を見て、この国で働く人々は親切だった。ルーブルでは入場料をかなり割引してくれ、モールのレストランで事情の知らない父親がビールを注文したら、タダでノンアルコールのビールを提供してもらったそうだ。買い物を終えた老夫婦が、重い買い物袋を抱えているのを見て、スーパーの店員がそれを持って家の近くまで送ってくれた。

そんな内外での楽しく充実した時間を一緒に過ごして、両親は昨晩アブダビ空港から日本へ帰っていった。仕事をしながらだったのでバタバタして、十分な配慮ができたかどうか。でも二人には大変喜んでもらい、俺も両親との濃厚な時を過ごさせてもらい、空港での別れが少々辛かった。昨日のアブダビでの雨は俺の涙雨だったろう(ロマンチックかあ)。

年老いた両親が、アブダビという慣れない異国の地に息子を訪ねて来て、一緒にいろいろなところに行って、いろんなものを食べ、一緒に泣き笑いして。なんとした至福の時であったろう。

お父さん、お母さん、お疲れ様でした。ありがとうございました。息子は引き続きこの地で頑張りますよ。日本からずっと応援して下さいね(ぐすんぐすん)。