anezakimanのアブダビ日記

アラブ首長国連邦アブダビ首長国に駐在になりました。そこで出会ったことを綴ります。

タイ王国旅行記

ラマダーン明けのイード休暇で、タイ王国(Kingdom of Thailand)に行ってきた。今回のイード休暇は、私企業でも月から木までの4日間、週末を入れると6日連休という、おそらくこの国開びゃく以来の最長公的休暇となった。これを最大限利用すべく、仕事を終えた日曜の夜行便でアブダビ発、月曜の朝にバンコク入り、木曜の夜バンコク発便でアブダビ帰国のフライトを確保、丸々4日間タイで過ごすことにした。

バンコクには日本時代に出張で何度も行っていたが、純粋な観光は初めて。今回は時間的余裕があったので、地方都市も散策することにした。最初は北部のチェンマイ等も考えたが、国内移動で飛行機を使うと時間をかなり浪費するため、最終的にはバンコクから鉄道で2時間弱で行けるアユタヤーに1泊、バンコクに2泊とした。

タイにしろバンコクにしろ、出張経験も踏まえた身近なイメージがあったが、今回改めて歴史文化の豊かさ、国の多様性に感じ入った。

  • 人口7千万人弱、面積は日本の1.4倍の東南アジアの大国。13世紀のスコータイ王朝から始まり、アユタヤー王朝、トンブリー王朝を挟んで現在まで連なるチャクリー王朝と、タイ民族国家としての長い歴史基盤を有し、帝国主義時代も列強の植民地化から逃れて歴史文化の蓄積が豊か。今回アユタヤー王朝、現王朝の歴史遺産を観光したが、その荘厳さに目が眩むほど。
  • 今回行けなかったが、アユタヤーの他にもチェンナイやチェンラーイといった北部、イーサーンとも呼ばれる東北部、プーケット含む南部、それぞれミャンマー、ラオス、ベトナム、カンボジア、マレーシアと国境を接し、バンコクと違った異文化交流の香りや少数民族の存在が、この国の魅力を高めている。
  • 水と緑の豊かな自然、美味しい料理やスウィーツ、新鮮なフルーツ、そして物価の安さも相まって、バックパッカーの聖地と呼ばれるくらい旅行者にとって魅力に溢れた国。帰ってきてから知ったことだけど、調査によってはバンコクは世界の中で海外旅行者ナンバーワンの都市であった(以下は昨年のマスターカード調査)。ちなみに国としてはタイは第10位に位置(世界観光ランキング)。GDCI_GLOBAL-2
  • バンコクはアジアの大都市らしく道路渋滞で有名だが、今回の旅では鉄道、地下鉄、水上バスとすべて公共交通機関での移動であったため、驚くほどスムーズだった。
  • バンコクにおける日本の存在感の高さには、ほとんど存在感のないアブダビから行ったからもあり改めて驚嘆。日本の産業集積(特に自動車関連)、衣料等のブランド、日本食レストラン、飲食街やナイトライフ、漫画などの文化材の数々が、街中に溢れかえっている印象。地下鉄の中では京成と東京メトロ協賛の東京誘致キャンペーンが全車両掲載。タイも楽しめて日本にも極めて近いところだ。

以下、アユタヤー観光編、バンコク観光編、バンコク食事編、そしてトラブル編を記しておく。

<アユタヤー観光編>

バンコクから北部70キロにあるアユタヤー王朝時代の首都。チャオプラヤー川含む3つの川に囲まれた島であり、島内を中心に壮大な仏教遺跡が集積し、世界文化遺産となっている。バンコクのスワンナプーム空港から、空港と市街地を結ぶ急行電車、地下鉄、ローカル行き列車を乗り継いで、アユタヤー駅についたのが午後1時。予約していた川沿いのホテルにチェックインし、早速自転車を借りてアユタヤー王朝時代の遺跡を観光。

この川を渡し船で渡って島内観光に出発。

f:id:anezakimanAD:20190607155847j:image

自転車も船に積み込む。ママチャリだが、アユタヤー観光にはとても便利。
f:id:anezakimanAD:20190607155841j:image

島内のあちこちが仏教遺跡だらけ。有名どころを4つ回る。まずはワット・マハータート。アユタヤー王朝後期はビルマ軍に攻められて多くの寺や文化財を破壊された。
f:id:anezakimanAD:20190607155913j:image

多くの仏像が破壊されたり、仏頭が切断された。ここの切断された仏頭が木の根に取り込まれて残ったものが有名。ちょっとしたパワースポットらしく、大勢の観光客が祈りを捧げている。
f:id:anezakimanAD:20190607155907j:image

2つ目、ワット・プラ・シー・サンペット。アユタヤー王朝の王室守護寺院で、3人の王の遺骨も納められている。
f:id:anezakimanAD:20190607155910j:image

次はワット・ローカヤースタッター。広々とした草原の遺跡の一角に全長28メートルの仏がごろ寝中。涅槃の境地に至った仏を象徴するのだとか。この悠々たるリラックス振り、見習いたいねえ。
f:id:anezakimanAD:20190607155903j:image

最後は島を出た郊外にあるワット・プーカオ・トーン。ここからアユタヤーの田園風景が見渡せる。
f:id:anezakimanAD:20190607155838j:image

途中、川のほとりのカフェで甘いタイティーでエネルギー補給。
f:id:anezakimanAD:20190607155857j:image

タイも30℃を超す炎天下、さすがに走り回って疲れてきて、夕食は川沿いのレストランでトムヤンクンにビールで喉を潤す。
f:id:anezakimanAD:20190607155851j:image

メインはアユタヤー名物の手長エビを味わう。
f:id:anezakimanAD:20190607155834j:image

そうして歴史遺跡と地元料理を楽しんで、アユタヤーの地を後にした。

<バンコク観光編>

バンコクでは、高架鉄道(BTS)、地下鉄(MRT)、水上バス(チャオプラヤー・エクスプレス・ボート)を駆使して、市内のいくつかを回った。

堂々たるバンコク中央駅。ここからアユタヤー含む地方に向かう主要列車が出ている。

f:id:anezakimanAD:20190607163608j:image

高架鉄道車内から。バンコクの道はどこも渋滞だらけ。こちらは車内はかなり混んでいるものの道路渋滞を見下ろしながらスイスイ快適。 

f:id:anezakimanAD:20190607163837j:image

チャオプラヤー・エクスプレス・ボートの船上デッキ。曇天で川風が心地よい。
f:id:anezakimanAD:20190607163846j:image

船から見える有名なワット・アルン。
f:id:anezakimanAD:20190607163824j:image

タイで最も格式の高い王室寺院、ワット・プラケオを見学。巨大かつ黄金だらけ。写真禁止だったが本堂にはエメラルド色した仏像もある。
f:id:anezakimanAD:20190607163828j:image

f:id:anezakimanAD:20190607163850j:image

 隣には、歴代の王が住まわれていた王宮がある。

f:id:anezakimanAD:20190607164908j:image

こちらの現国王ご夫妻は住まれていないようですが。こうした写真が街のあちこちに。これはちょっと我が国を彷彿とさせますな。もちろん奥方はいませんが。
f:id:anezakimanAD:20190607163820j:image

街をかなり歩いて疲れた足を癒そうと、日本人に人気の「木先生の足裏マッサージ(Moku Thai Traditional Massage)」というお店に行って、予約して名人の木先生ご自身に施術してもらう。とても痛かったが、確かにスッキリ。

<バンコク食事編>

バンコクでの楽しみの一つは食事。まずは日本にもあるコカ・レストランで俺の好物のタイスキを久しぶりに堪能。そして中華街のフカヒレ。このフカヒレたっぷりのスープが400バーツ。これに別に頼んだ麺を入れて絶品のフカヒレラーメンを味わう。
f:id:anezakimanAD:20190607163831j:image
f:id:anezakimanAD:20190607163841j:image

麺と言えば、街頭で食べれる気軽で安くて美味しいスープヌードルを食べ歩き。一杯40〜60バーツほど。

f:id:anezakimanAD:20190607170131j:image
f:id:anezakimanAD:20190607170118j:image
f:id:anezakimanAD:20190607170121j:image
f:id:anezakimanAD:20190607170123j:image

こちらはタイ北部のカオ・ソーイと呼ばれるカレーラーメン。バンコクのレストランで食べたので多少お高くで150バーツ。普通の麺と乾麺の2つの食感が美味しいカレーソースとともに味わえる。
f:id:anezakimanAD:20190607170139j:image

そうなると日本の麺も恋しい。日本食なんでも揃っているバンコク、巨大ショッピングセンターのフードコートで食べた餃子うどん。
f:id:anezakimanAD:20190607170136j:image

そしてリンガーハットのちゃんぽん。やっぱり美味しいねえ。
f:id:anezakimanAD:20190607170126j:image

日本食と言えば、2日目の晩はおでん割烹でだしの効いたおでんをつまみながら、日本酒熱燗をちびりちびり。たまんないねえ。

f:id:anezakimanAD:20190607181853j:image

<トラブル編>

とまあ、とても楽しんだタイ王国旅行であったが、最後にトラブルを記しておかねばなるまい。アユタヤーではガイドブック等で野良犬に注意と警告していたが、なんとその野良犬に噛まれてしまった。。オーマイガッ、何てことだ。

山田長政で有名な日本人町跡に自転車で行く途中、間違えて一つ手前の道に入ってしまい、そこにいた犬数匹に追いかけられ、自転車に乗りながら左足スネ部分を噛まれたのだ。傷は深くはなかったが血が滲み出てきて、これはまずいと直感。動転しつつ、日本人町跡まで行ってトイレで傷口を石鹸も使いながら丁寧に洗う。そこで英語を話せるタイ人女性がいたので相談、さらに日本人向けにガイドをしていた日本語がわかるタイ人男性も入ってきて親身にどうすべきか相談に乗ってくれた。

念の為の狂犬病予防のため、病院に行って注射を打ってもらう必要があるのだが、乗ってきた自転車をどうする、料金どうなる、どんな病院が良いかなどを協議しているうちに、女性の一人が海外旅行者のためのトラブル対応サービスがあることを思い出し、そこに電話してくれた。そうして現れてくれたのが、アユタヤー市が運営しているというTourist Asistance Center(通称TAC)のマディー女史含む3人のチームである。

f:id:anezakimanAD:20190607171343j:image

レンタル自転車を乗ってきた軽トラックに積み込み、一緒にアユタヤー市営の総合病院へ。そこでの手続き、簡単な問診、そして注射、患部の処置から、抗生物質と痛み止めの処方薬受け取りと代金の支払いまで、すべて一緒について対応してくれた。まったくこの3人は俺を救ってくれた英雄に思えましたね。本当に本当にありがとうございました。

こうして、アユタヤー以降バンコクに戻ってからも、体調に支障なく無事に旅行を続けることができた。この歳で犬に噛まれるなんで、ドジで不注意としか思えないけど、こうしたことは旅先では起こりうる。その時の危機対応の大切さを身に染みたことであった。それにしてもTACの皆さんがいなかったらどうなっていたか。タクシーで病院に行っても英語が通じるような雰囲気ではなかった。改めて TACチームや日本人町跡の方々含む、アユタヤーの皆さんと仏陀に感謝しかありませんです。

満足と波乱が入り混じったタイ王国旅行は、こうして幕を閉じたのであった。楽しかったけど、ちょっと疲れましたかね。