anezakimanのアブダビ日記

アラブ首長国連邦アブダビ首長国に駐在になりました。そこで出会ったことを綴ります。

アブダビ帰国記

宴が終わり、いよいよ帰国当日の朝。日本滞在中の To Do List で最後まで残っていた家周りの草むしりに取り組む。猫の額ほどの敷地ながら、茫々に茂った雑草を取り除く作業はかなりの重労働だ。1時間半かかって何とかやり終えるころには汗びっしょり、くたくたになった。朝風呂に入って朝食を食べたが体にだるさが残り、体温を測ると37.3度。おいおい、確かこの体温は帰国便に搭乗できなくなるぎりぎりのはず。

火照っている体を休めるべく朝寝を取るが、昼前に再度測ると37.5度に上がっている。。せっかくここまで準備してきたのに、最後の最後に体温外れでドタキャン、やり直しかと焦った。風邪薬を飲んで様子を見ているうちに、37度前後に落ち着いて何とか行けそうになってきた。

成田空港まで、愛犬含む家族に車で送ってもらう。空港の入り口で愛する家族たちに泣く泣く別れを告げてチェックインに向かう。そこは人気のほとんどない空間となっていた。

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用意してきたICA許可のメールのコピー、PCR検査陰性証明書を係員に渡して、直ぐにチェックインできた。本日のアブダビ行きの乗客はビジネスが俺入れて3人、エコノミーは10人もいなかったようだ。途中の体温チェックも無事パスできた。

パスポートコントロールは通常の窓口はすべて閉鎖されて、一か所で個別に対応している。中に入ってもほとんど誰も見ない。
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同じ時間帯の出発便を見たら、案の定アブダビ行き以外はほとんど欠航になっている。
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空港内のレストラン、売店は一部の店舗は16時30分まで営業していたらしいが、この時間はすべてクローズしていた。こんな感じなので、成田からの出発は超順調に進み、予定通り22時前に出発、アブダビには定刻の1時間40分前の午前3時に到着した。

ところで前回書いたアブダビ空港でのPCR検査の日本人免除というのは俺の勘違いで、この空港に立ち寄る全員に再びPCR検査が待っていた(ドバイ空港だけ免除の模様)。書類に記入し、そのままパスポートコントロール前の臨時特設PCR検査スペースに導かれ、そこで再び鼻に棒を突っ込まれる。検査結果の連絡や、対象者のトレースのためのスマホソフト、Al Hosn をダウンロードするように言われる。これで自宅検疫2週間違反者を取り締まるらしい。罰金150万円相当にはしびれるなあ。

アブダビ空港もガラガラなので、これらの一連のプロセスが終わり、荷物をピックして外に出たのはタッチダウンから1時間ほどであった。こうしてアブダビに帰ってきた。そこは朝でも35度、日中は47度まで上がるお馴染みの真夏の風景であった。

さて、驚いたことにPCR検査の結果が検査実施から8時間後の昼前にSMS経由で届いた。4度目の陰性であった。現時点では、俺は日本人としては最多PCR受検者かつ陰性継続者ではなかろうか(笑)。それでは本日からまた隠遁生活に入ります。。

アブダビ帰国への道

日本到着後2週間の自宅軟禁、首都圏のみならず全国的に広がりつつあるコロナ禍の第二波と自粛ムード再来、そしてこの時期まで続く異常な梅雨空。今年はいつもとは違う異質なニッポンの夏の休暇であった。それでも日本の我が家で家族と一緒に過ごせる時間は楽しい。そんな風にリラックスできた日々も終わりが近づいてきた。3週間超のアブダビ不在を容認いただいた社内外関係者に感謝する。そして今、さあ、アブダビ、帰ろうである。

今どきアブダビへ戻ることもいろいろと規則や手続きがあり、それも不透明なことが多い。すでに書いてきたように、UAE連邦政府、アブダビとドバイの2大首長国政府の規制やルールが違ってたり、頻繁に変わったりする。アブダビ出国時の認識と、最新の状態が違ってたりして、そのたびに確認に追われる。

本日現在の最新情報では、UAE居住ビザを持っている俺が、アブダビ首長国に戻るためには下記3つが必須である(ドバイに帰る場合や旅行ビザで行くケースでは変わってくる)。

  1. Federal Authority for Identiy and Citizenship(連邦ID国籍庁)管轄のICAサービス経由で、帰国便の予約前に当局からのUAE再入国許可取得
  2. UAEが認めた病院やクリニックで、アブダビ帰国日の96時間以内にPCR検査実施した陰性証明書
  3. アブダビ着後、空港でのPCR検査は日本人は免除されているが、2週間の自宅待機。専用アプリで行動をチェックされ、違反者は5万 AED(日本円で150万円)の罰金

3は前から認識していたものの、俺が帰国するまでには1週間程度の緩和期待があった。しかもアプリで監督され、罰金も明確化されたのであればただただ従うしかない。。

1と2について、日本で右往左往しながら対応した経緯を記しておく。

ICAについて。

ICA Smart Services というWebサイト経由で許可申請を行う。下記から入って指示に従って必要情報を入力していく。

https://beta.smartservices.ica.gov.ae/echannels/web/client/default.html#/login

パスポートに貼ってあるResidence Visaのページとパスポートの写真ページのコピー添付が必要。入力自体は10分もあれば終了する。最後に料金が出てくるが無料である。許可の有効期間が21日間であることから、あまり早く申請しても切れるリスクがあること、以前は許可を得るまで日数がかかったが、現在はスムーズになってきたとも聞いていたので、俺は日本に帰って少し経ってから申請した。ところがなかなか許可されない。

  • 第1回目申請 7月15日 ⇒ 7月18日 Reject(結果は登録したメルアドにメールで来る。理由は要求に合致してないといった抽象的な説明のみ)
  • 第2回目申請 7月19日 ⇒ 7月21日 Reject(理由同上)
  • 第3回目申請 7月24日 ⇒ 7月27日 Reject(理由同上)

おいおい、大丈夫かと焦りつつも、皆さん3回目、多い人で5-6回目で許可を受けたと聞いていたので、諦めずに淡々と同じ登録作業を繰り返す。

  • 第4回目申請 7月27日 ⇒ 7月27日 Approval

4回目でようやく許可もらったが、この時は申請登録した次の瞬間にApprovalメールが来て苦笑した(申請した確認のメールよりも先に!)。日本人の場合は、登録した情報に間違いがなければ、申請回数や帰国日などで機械判定しているのかも。またICA許可前に帰国便の予約はするなとありつつ、予約番号を入れる任意の欄があって、これに入れると駄目なのかとか、UAE出国の理由を選ぶ欄があって、その内容も関係あるのかなどと思ったが、そんなことはなかったようだ。ちなみに俺は予約番号は入れたり入れなかったり(最後の許可されたものには入れていた)、出国理由は一貫して家族訪問とした。これで第一ハードル突破。

PCR検査について。

8月1日以降のUAE入国者は、どんな国籍でも(UAE人でも海外国籍でも)、どんな国からでも、どんなビザでも、さらに乗り継ぎ目的でも、出発国でのPCR検査が必須となった。しかもUAE政府が認可した検査機関に限ること、到着日の96時間(4日間)以内での検査実施という条件付き。これをクリアーした陰性証明書がないと、空港でチェックインができないのである。

当初、UAE政府認定検査機関の指定が日本にはなく、一方で俺の出発日と4日以内という制限を考えると、もはや予約しないと間に合わないと考え、会社が推薦してくれた都心のクリニックの予約を行った。ちなみに検査費用税込みで4万4千円もする。その後、EtihadのWebで日本での認定機関が公表され、俺の予約していたクリニックもその中に入っていてホッとした。

そうして検査を受けて陰性を確認、クリニックから英語の陰性証明書を受け取れたのが出発日の前日、試験実施は規制内の入国日のギリギリ4日前であった。ちなみに俺のPCR検査歴3回は日本人最多かもね。

日本での日々を楽しみつつ惜しみつつ、アブダビ帰国のための確認や手続きを行ってきた。いよいよ明日、アブダビ、帰ろう、である。ただし今のルールが出発まで変化なく、本当にチェックインできて、飛行機が飛ぶかどうか、まだまだインシャーラですな。

自宅待機期間満了

成田に着いて2週間が経過した。この間は指定された場所(俺の場合は自宅)に待機して外出せずに人との接触を可能な限り控えること、公共交通機関は使わないこと、健康状態を毎日チェックして自治体の保健所などにリポートすることが義務付けられる。

健康状態のチェックは、海外の携帯電話だとLINEによる連絡が使えないとのことで、最初は家の固定電話、次からは電子メールでの連絡となった。毎朝、体温、コロナ症状の有無などをメールで地元区役所の保健課に送る。

外出自粛については、日本に着いてPCR検査で陰性になっているのに、なぜPCR検査もしていない圧倒的多数の日本人よりも厄介者扱いされるのか、やや腑に落ちないけれど、基本おとなしく家で過ごす。ただし朝夕の愛犬との散歩は、人気のいない住宅街や公園、山道が中心なので、マスクを着けながら挙行させていただきました。お許し下さい。

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自宅軟禁状態でも家族との交流、美味しい家食で十二分に癒される。たこ焼きパーティーやったり。

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息子に自家製チャーシューとシナチクのラーメンを作ってもらったり。
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平日の日中は隔日でアブダビとのTeams会議をやったり、日本の関係者とも随時電話やメールで交信したりとそこそこ忙しい。それでもこの間に読みたかった下記本を読了。動物も含めた生き物レベルでの20憶年に渡るユニークな世界史、文明史に浸った。

さて、自宅待機も解けて晴れて自由の身となり、遊び歩きたいところだけど、日本もご存じのように東京中心に都会での陽性患者が増えている。政府の「Go To トラベル」キャンペーンも始まったが、感染拡大の真っ最中で直前に東京除外にするなど迷走中だ。

俺の家の近くでも、セブンイレブンの従業員が陽性になったとの噂で数日間営業停止になった。日本でもいよいよコロナが拡大しつつある中で、やはり大っぴらに出歩く気分にはなれない。

もっとも、明日から数日間は都心の会社に出社する予定で、遊び歩くことは不可だけどね。おとなしく注意深く行動しつつ、残り少なくなったジャパンライフを出来るだけ楽しみたいものだ。

成田空港到着リポート・ホテル待機編

アブダビ自転車の仲間であるKさんも、俺の5日後にアブダビから成田に帰国された。彼の場合は俺と違って自宅に直行せず、政府指定の待機場所でPCR検査結果が出るまで待機している。こちらも大変貴重なご体験なので、ご本人の了解を得て以下紹介したい。

(アブダビ空港から成田空港、そして待機場所のホテルまで)

アブダビ空港は極めてスムーズ。ラウンジも再開しているので酒を飲みながらノンビリ待つことが出来ます。cabin luggage12kgもチェックイン出来るので、平時より多くの荷物を預けることが出来ます。成田空港も空いていたこともあり、極めてスムーズ。着陸から降機迄は平時より短かったです。
PCR検査後、ダンボールでしばらく待機。人数が揃ったところで移動します。

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自宅ないしは政府指定の待機場所に移動しますが、後者を選ぶと2泊3日で結果が分かり、陰性の場合には3日目の9時半から11時半に自家用車やハイヤー等で迎えに来て貰い自宅に向かうか、空港近隣の自分で手配したホテルに政府が用意したバスで移動するか、歩いてレンタカー屋に行くか、しか選択肢がありません。
私の場合は妻が迎えに来てくれるのですが、それが18時位になるので滞在延長を依頼するも却下、政府バスで成田空港に帰され、そこで妻の迎えを待つことになりそうです。
移動中のバスの中で部屋番号が伝えられ、鍵も渡されないまま部屋からは一歩も出られない二泊三日が始まります。

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(いったい2泊3日、ホテルの部屋に閉じこもっで何をされてますか)

日本のTVを見たり、スマホでYouTubeとNetflixの他、手荷物のギターを弾いたり、ゴルフバッグからパターを取り出して遊んでみたり。
会社のデバイスは全てアブダビに置いてきて、まだ日本のものを手に入れてないので仕事は一切してません!仕事のメールを一度も見ないなんて、10年振り位かも知れません!

弁当が3食配られますが、飲酒喫煙は禁止、wifiは無料です。

(お弁当の写真。添えられたメッセージに日本の優しい心遣いが感じられて砂漠暮らしのアブダビ人の胸に響く)

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Kさん、お疲れ様でした。愛するご家族との再会までもう少しの辛抱ですよ!

成田空港到着リポート・自宅直行編

成田空港到着後どうなったかを記録しておく。

Etihad 878便は予定到着時間の1時間前の15:20にタッチダウン。PCR検査が混んでるので30分ほど機内待機といわれたが、どうやら間違いだったらしく、すぐに降りれた。ちなみに本日の乗客はビジネス2名、エコノミー10名の総勢12名。機体はいつもの787なので貸切り状態。

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空港内の飛行機数はさすがに少ない。

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係員に誘導されてPCR検査待ちスペースへ。ここで5分程待つ。

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それからPCR 検査場所へ移動。係員の説明を聞きながら書類に記入して検査を受ける。やはり聞いてた通り、日本の検査時間は長くて5秒鼻に棒を突っ込まれる(アブダビでは1-2秒だった)。結果は2-3日後にメールで連絡すると。結果出る前に家には帰れる。

その後家族迎え組はそのまま出れて、タッチダウンから1時間ちょっとで荷物を引き取って終了と超スムーズ。

ところが迎えが来てないと空港から出れないとのこと。もっと時間がかかることを想定していたので、家族はまだ来てない。来るまでここで待てと。

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迎えの車は駐車場ではなく、到着ターミナルの入口辺りまで来てもらい、到着の電話連絡をもらったらそこまで係員が連れていってくれた。

要は機体を降りてから家族への引き渡し、もしくは待機ホテルへの送迎まで、徹底して係員が同行、監視して一人での勝手な行動を認めないらしい。日本的な徹底したシステムではある。

まずは日本に安着できてホッと安心してます。

完・日本への道

これから日本に帰る。ついに日本への道、完結編である。帰国は日数で言うと7か月振りだが、何年も帰ってない気分だ。

家からアブダビ空港まで車で10分、チェックインカウンターは閑散としている。

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検温もなく、PCR検査も問われない。ほとんど人がいないのであっという間にパスポートコントロールを終えて中へ。一部の免税店は営業していた。

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いつもは人混みのゲートまでの通路も人気無し。
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ありがたいことにビジネスラウンジが再開していた。5日前からだと言う。ここもほとんど人はいない。
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食べ物はこんな風に展示してあるものから選んで注文する。
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ここまで来てホッと一息ついて、本当に帰れるのだと実感が湧く。いつものようにビールを飲みながら日本に想いを寄せる。
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いまから愛する人たちに逢いにゆきます。感謝感謝。

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なぜ今ストレスフルなのか

いろいろとあって、毎日結構しんどい。新型コロナ禍のなかで、俺だけでなく世界中の人々が多かれ少なかれそうだろう。なぜ今ストレスフルなのか、俺自身の場合を少し突き詰めて考えてみた。原因が分かれば、知恵や対策も浮かぼうというもの。

  1. 仕事の遂行で多くのことが未知、未体験で、三枝匡さんの言う「かつて見た風景」が少なく、起きたことに右往左往しがち
  2. 仕事の業績が悪くて後ろ向きの仕事が多くなり、また自分自身に自信を持ちづらい
  3. 英語圏の仕事でただでさえ会話に苦労するのに、直接面談不可、電話やビデオ会議のみの交信で、関係者とのコミュニケーションが一層困難になっている
  4. 心を許して気軽に相談できる先輩、友人知人が身近に少ない(孤独感)
  5. アブダビ首長国外に出れず(ドバイにも行けず)、旅行に行けず、日本にも帰れず、家族にも会えない
  6. 自転車部活動や会食がままならず、会社以外での友人、知人との交流の制限、発散できる飲み会限定
  7. コロナ後の世界に対する漠然とした不安

1~4はもともと俺の仕事上の課題であり、コロナがあろうがなかろうが構造的にあったもの。それがコロナで増幅された上に、5~7がコロナで加わり、よりストレスフルになっているということか。やれやれ、7重苦だねえ。。

ただし今回、日本に帰国できればいったん5は解消され、4と6も帰国中の交流で一時的には軽減効果が期待できる。そういう意味でも、今回は何としてでも帰りたいなあ。出国規制緩和の第一報が入った瞬間、Webでフライトの予約を入れたのは、今帰らないとヤバいと本能的・直観的に感じたのかもしれない。

あとは今日の日経朝刊のポストコロナの海図という特集記事の中で、竹内広高一橋大学名誉教授がコメントされていた「なりふり構わず」の速度感で突き進むか。そしてもともとの俺の人生コンセプト、「自分がマネージできないことは気にしない、自分がマネージできることのみに集中する」、「一日一生」、「毎日目の前のことだけ考えて粛々と取り組む」を一層意識して、悩まず、悔やまず、愚痴らずかなあ(あれっ、これ愚痴ってる?)。