anezakimanのアブダビ日記

アラブ首長国連邦アブダビ首長国に駐在になりました。そこで出会ったことを綴ります。

あるお方

昨夕、突然現地の親会社からお前の個人情報を教えろと言われた。ある公式訪問があるかもしれないからと。訳がわからないまま連絡するうち、その晩になってそれはどうやらとんでもない方に会えるかもしれないということが分かった。

本日の午前中にその訪問が確定した。さる要人が主催する、こちらで言う Majlis(大広間にいろんな人が集まってワイガヤ雑談をする中東式集会)にその親会社グループ全体が招待され、その末席に加わることになった。

14時半にアブダビ市内某所に来るように言われ、親会社グループの幹部40人弱が集まって大型バス2台に分乗して会場に向かった。その会場は宮殿であり門を通って中に入っていくと、海沿いに中央に大きなオープンスペースがあって、その周りを囲むように四角形に椅子が配置されている会場があった。順番に椅子に座っていくのだが、現地人中心に200人以上はいただろうか。一度にこんなに多くの現地人を見るのは初めてであった。うち日本人は俺だけ、背広を着た現地人以外も俺を入れて5人だけだった。そんな中、隣りのギリシャ人とお喋りしながらその主催者を待った。

ゆっくりと現れたそのお方は、新聞等でお見かけするのと同じ風貌で、堂々とされていてオーラを感じた。一人ひとりに握手をされてまわり、名前と会社名を言うだけとのことだったので俺の番がきてその通りにすると、そのお方は低いながらもよく通る声で pleasure to meet you と声をかけてくれた。その間1秒もなかったと思うが、笑顔で優しく握手してもらった包容感はいまでも残っている。

全員の握手が終わるまで40分ほどかかっただろうか。その後着席され、最初は若い女性、その次は車椅子に乗った若い男性、さらに中年の女性と、着席されながら平均10分づつほどお話をされていた。あとで聞いたところによると、若い女性はいくつも特許を申請している発明家、中年の女性は国民評議会の偉い政治家とのことであった。

その後も要人風の方々との会談を続け、周りの現地人含む我々はアラビックコーヒーを振舞われながら周りの人間と雑談したり、会談の様子を聞こえないまでも眺めて過ごしていた。

結局ご本人が現れてから1時間半ほど経過しておひらきになった。最後のイベントとして、ご本人含む参加者との集合写真があった。たまたまご本人のすぐ斜め上の席となった俺は、ニンマリしながら写真に収まった。あとで写真は皆に配られると言う。

さて、そのお方とは誰あろう、アラブ首長国連邦国軍の Deputy Supreme Commander兼アブダビ首長国の皇太子、もっと言えば病気がちの現UAE大統領の Sheikh Khalifa bin Zayed Al Nayan の後継として実質UAE大統領職を担っていると言われている Sheikh Mohammed bin Zayed Al Nayan その方であった(下記写真は Wikipedia から)。

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こちらにいないと分からないと思うけど、日本で言うと天皇陛下と安倍首相の両方を兼ね備えた方(国家の象徴としての君主と実質政治権力者)と表現すればよいだろうか。

さらにこちらで見聞きしている感覚で言うと、亡くなってから15年近く経つのに今でも国父として国民全体に敬愛されている偉大なるUAE建国のリーダー、Sheikh Zayed bin Sultan Al Nayan を父とし、ご存命で国母として 今でも絶大な人気のある Sheikha Fatima bint Mubarak Al Ketbi(いわゆる Fatima皇太后)を母とする Nayan 家のご子息として、国民に大変人気のあるUAE一国のスーパーリーダーである。

クリスマスに突然驚きのプレゼントをいただいた感じで、興奮冷めやらぬ俺であった。