ルーブル・アブダビに浸る
先の週末は完全休養日として、家での主夫業ならびに近場徘徊に没頭した。金曜日は朝夕の散歩以外は家にこもってウダウダしていた。
土曜日、だんだん暑くなって来た中で、屋内文化活動転換の一貫として、サディヤット島にあるルーブル美術館アブダビ別館に出かけた。昨年11月11日に開館したアブダビ文化戦略の拠点となる一大美術館である。
ルーブル・アブダビにはこれまで2回行っていたが、日本からの出張者の同行であり駆け足で廻っただけであった。今回は1人でじっくり廻ろうと考え、事前に年間パス(Art Club)の会員の申し込みもしておいた。
1回の入場料が60AED(約1,800円)に対し、Art Club会員料は同行者1人も無料で450AED(約13,500円、共に税抜き)。1人で8回、2人で4回行けば元が取れる計算になる。また主要作品の解説が聞ける iPad貸出無料、本場フランスのルーブル、オルセーなどの美術館の入館料無料などの特典もある。
そう言った損得勘定は別にしても、人類の歴史、文化、芸術の痕跡を、時代順に追うというこの美術館のコンセプトには大変興味を持っていたので、1年を通じて入場できるパスの購入は自然の流れであった。
朝10時の開館に合わせて行くと、すでにかなりの人が入り口で待っていた。
海沿いの地での近代的建築が見事に調和している。
Art Clubの会員カードを受け取り、iPadをさっそく借りて進む。ここは全部で下記の12のギャラリーに分かれていて、基本時代順になっている
- The First Villages
- The First Great Powers
- Civilisations and Empires
- Universal Religions
- Asian Trade Routes
- From the Mediterranean to the Atlantic
- The World in Perspective
- The Magnificence of the Court
- A New Art of Living
- A Modern World?
- Challenging Modernity
- A Global Stage
6と7の間にIntersectionとして、Cosmographyという世界大航海時代のコーナーもある。この記述を見て興奮しない世界史好きはいないと思われるほど、知的好奇心をそそる内容だ。ただの美術館というよりも、人類のあらゆる活動(儀式や占星、農業、宗教、戦争、交易など)の文化的芸術的側面にスポットライトを当て、その歴史的経緯を一緒にたどれる構成になっている。
現物を観ながらiPadの解説を一つひとつ丁寧に聴き、そこにある小さな説明文にも時には目を通しながら廻っていくとあっという間に時間が経っていった。結局4時間かけて上記の6までの全体の半分までたどりついたところでグッタリとなって、残りはまた次回ということにした。人間の精神とモノに圧倒されて、純粋な芸術品たる絵画にたどり着くまえに時間と体力切れとなってしまった。
ちゃんと観なければさっと通り過ぎていってしまう偉人に今回は出会えて、パワーをもらえた気がした。以下、歴史上の3偉人の像。
上からベルシャ帝国のアレクサンダー大王、ローマ帝国のアウグストゥス初代皇帝、ローマ帝国の賢帝として知られるハドリアヌス皇帝。まさにパワースポットだね。これから通うことになりそう。