anezakimanのアブダビ日記

アラブ首長国連邦アブダビ首長国に駐在になりました。そこで出会ったことを綴ります。

ニッポン滞在記その2:原風景への旅

今回、富良野以外にちょっとお出かけしたところが2ヶ所ある。一つは俺の実家の田舎の田園地帯、もう一つは埼玉県川越市の小江戸といわれている蔵造りの古い街並みである。前者は農耕社会ニッポンの、そしてそこで育った俺自身の原風景であり、後者は江戸時代に発展したニッポン商店街の原風景である。この2つの小旅行を記しておく。

東京駅から新幹線と在来線を乗り継いで3時間ほどの我が田舎は、相変わらず平和で、どこまでも田んぼが広がっている。大都市と砂漠の地に染まってきている俺にとっては、今や懐かしくて愛おしい情景だ。

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この夏は高温、少雨で、我が実家も米の収穫具合を心配していた。

 

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1泊2日の慌ただしい帰省だったが、自作しているコシヒカリのご飯、我が家のごちそうである郷土料理のノッペ、家の畑で取れたアスパラ、キュウリ、トマトなどの新鮮な野菜をしっかりといただき、心も体も満たされた。日本の農業はマクロ的にいろいろ課題があり、またミクロ的にも実家の後継者問題が気にはなるが、一旦それは忘れてのびのび過ごせた。

都内に所用があり、出かけたついでに、前から行ってみたかった小江戸と呼ばれる川越を訪れた。江戸時代に物流の拠点として栄え、今でも蔵造りの街並みと江戸時代から続く老舗の商店街で有名なところだ。東武東上線の川越駅からバスで5分ほどで、1キロほど続く蔵通りに着く。気温30℃を超える炎天下ながら、夏休み中もあってか観光客、地元の人たちで賑わっている。

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着物姿の人も多く、街に自然に溶け込んでいる。

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一つひとつのお店は、漬物屋、駄菓子屋、地元民芸店、骨董品、伝統的な醤油やゴマのお店、鰻やうどんなどのレストラン、食べ歩き向け食材店など、多彩で個性的。フラッと寄って眺めているだけでも楽しい。俺はアブダビでの料理の腕前向上を期し、美味しそうな醤油とゴマを買う。

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散策に疲れてお腹が減ってきたので、何軒かあった鰻屋の一つに入る。思い切ってうな重の松を頼むと、これから調理しますと元気いっぱいの鰻さんを見せてくれた。 

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そしてこのように。鰻さんの元気を有り難く、とても美味しくいただきました。

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この街のカスタマーフレンドリーなことには、街歩き用のビール(クラフトビールのCOEDO)を飲みながら自由にお店も入れて、漬物屋さんでは試食用の漬物をビールのつまみにどうぞと言ってくれたりする。俺も鰻屋でのビールに加え、街歩きでもビールを飲んでその恩恵にあずかった。

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食事も含めて3時間ほど、ゆるゆると歩き食べて過ごした。古くて情緒ある街並み、多彩で個性的な商店街、そしてお客様を大切にする街やお店の人たち、これらが散策に程よいエリアに固まっていて、歴史的・伝統的なニッポンの商業センス、おもてなしを感じることができた。

ここは池袋駅から快特で30分の地であり、簡単に短時間で江戸やニッポンの文化、香りを味わえるという意味では、海外の人をご案内したい場所の一つであり、通訳案内士的意欲を掻き立てられるステキなところであった。

アブダビの日常では忘れかけているニッポンの原風景を味わえた、気分の良いお出かけとなった。