愛と興奮の砂漠キャンプ
アブダビに住んで3年3か月。これまでいろいろ出かけてきたし、この国らしい様々な体験もしてきた。だがここまで唯一、経験していないのが砂漠キャンプである。砂漠という意味では、半日の砂漠サファリツアー、砂漠豪華リゾートホテル滞在、観光ツアーとしての砂漠1泊キャンプは体験済みだ。しかしながらテントや寝袋を持って何もない砂漠のど真ん中でキャンプするのは未体験であり、いろいろな人からこの国らしいユニークなイベントだと聞かされていた。
その砂漠キャンプのお誘いが近所住まいのAさんからあり、一にも二にも飛びついた。Aさんご一家(娘さんと愛犬)、Iさんご一家(奥様、男の子お二人)、Zさん(単身赴任中でお一人)の3世帯、7人と1匹の砂漠キャンプにご一緒させていただくことになった。テント、寝袋、主要食料品はすべてご準備いただけるとのことで、俺が持っていったのは最小限の衣類と水と酒だけだった。
休日のお昼、Aさんの車に同乗させていただき、家を出発した。40分ほど走り、途中のガソリンスタンドでIさんご一家、Zさんと合流、3台の4WD車で一路砂漠に向かう。30分ほどで側道の砂利道に入る。さっそくラクダの隊列のお出迎え。
本当の砂漠道に入ってすぐに、車のすべてのタイヤの空気を抜く。タイヤ面と砂漠地表の接する面積を増やして、砂漠の柔らかい砂でもタイヤを機能させるためとのこと。皆さん手慣れたもの。
最初はこんな平地を走っていたが、
そのうち Dune(砂漠の小山)が連なるミニ山岳地帯へ。
大の砂漠キャンプ好きで、夏でも水をかぶって出かけていくという I隊長の先導の元、Duneの頂きや合間を縫ってどんどんの砂漠の中に入っていく。
途中、Duneで何度か車がスタックしても、ロープをつないでの救出もお手の物。
そうして砂漠の中を走ること約30分、ようやく I隊長の御めがねに叶ったキャンプ拠点が見つかり、ここで設営開始。周りに砂以外何もいない、まさに360度砂漠地帯。
子供たちはさっそく砂ぞり遊び。
人間界以外からの参加代表、MUGIさん雌犬2歳も長旅でお疲れか、砂の上でまったり。
俺の寝床もテキパキとセットいただく。
夕暮れとともにいよいよバーベキュー支度。
3世帯の方それぞれが火をおこし、メインキッチンではI隊長がラードを使ってチャーハンを炒め、
奥のキッチンではAさん娘さんとIさんお子さんたちが仲良く各種お肉、エビなどを焼いている。
こうした豪華食材に舌鼓を打ちながら、皆さんとの会話も弾み、ビール、ワインがどんどん加速し、冷えこんできた最後の方はラム酒のお湯割りでしめ。
俺は気がついたら消えかかった焚火の傍で寝ていて、Iさんに起こされて何とか体をテントへ運ぶ。こうしてキャンプ初日は興奮のうちに満了したのであった。
翌朝、6時過ぎに起床。周りをぶらぶらしつつ、日の出を待つ。
俺が寝たテントは真ん中。左右をAさん、Iさん一家。Zさんは車中泊。
朝食も簡単テキパキ。ピザ生地をカリっと焼いて、
ハムとAさんご自宅で作られた野菜をトッピング、これがまた美味。
朝食後、くつろぎつつ撤収開始。
最後は皆さんで。
お誘いいただいたAさん始め、皆さんは日本がこの国に誇る資源開発会社の技術屋さん。
突然の参加者に対する皆さま全員の愛と優しさ、そして家族愛、親子愛、動物愛、自然愛に満ち溢れた、愛と興奮の砂漠キャンプ体験でありました。Aさん、Iさん、Zさん、ご家族の皆さま、本当にありがとうございました。