引っ越しをしています
世界中が揺れている。アフガニスタンのタリバーン復活による大混乱、ギリシャの山火事、ハイチの地震や北米のハリケーンなど。加えてコロナのデルタ株の再襲来による世界中での感染拡大も厳しさを増す一方だ。
そんな中、俺はアブダビにおいて自宅待機を終え、仕事と日常に戻りながら、あることに奮闘している。世界の大騒乱から比べたらちっぽけな個人的なことだが、アブダビに赴任して二度目の引っ越し、3軒目の新居移動を遂行中だ。
引っ越しは面倒だ。特に海外で一人ですべてのプロセスを行うことは苦痛ですらある。それでもアブダビに駐在して丸4年経とうとしていて、すこし気分を切り替えて、新たな挑戦を行いたいという気持ちが俺を引っ越しに駆り立てた。
俺は本質的には引っ越しが嫌いではないかもしれない。振り返ってみれば、生まれてから田舎の実家で過ごした18年と、アブダビ赴任前に住んだ自宅の12年の合計30年間を除いた期間で、俺は15回の引っ越しを経験している。この間は2年に1度はうろうろしている計算になる。Rolling stone gathers no moss(転石苔むさず)ということわざがあり、良い意味にも悪い意味にも解釈できるようだが、俺にとっては苔のない人生が良い意味であることを信じたいところだ。
まずは引っ越し先の場所の選定である。俺はアブダビ中心街から40キロほど離れた郊外の Al Raha Beach 地区に赴任以来4年間住んできた。日本人がほとんどいない居住地域で(俺の認識では2組4人の日本人ご家族のみ)、気楽である。また後半の1年ほどはコロナ禍に襲われて外出もままならない環境だったが、ここは居住地内に多彩な散策路が整備されており、比較的自由に散歩を楽しめたのには結果的に救われた。
コロナ禍からの復活も期して、アブダビの郊外から都心に進出したい気持ちがうずいていた。いくつか調べていたが、結果的には Saadiyat島の新興住宅地が気に入った。ちなみに Saadiyat とはアラビア語で幸せの意味で、この島はルーブル・アブダビなどの博物館やニューヨーク大学等の教育機関が整備されている文教地区である。
都心に近く、会社も前よりは遠くなるが45分ほどで行ける。そして俺のお気に入りの和食レストラン、NIRIがあるところでもある。
実際にこの地域のAvailableなアパートを見にいって決めたのは、日本帰国前の6月末であった。あとはアブダビに戻ってから諸手続きとの計画であった。日本がグリーンカントリーから外れて7日間の自宅待機を余儀なくされたのは計算外だったが、8月中旬から慌てて引っ越しに関連した作業を開始した。
今回のチャレンジは、アパートが家具なしのまったくのスペースだけなことである(いわゆる no furnished )。俺のこれまでのアブダビ生活は、最初の家はホテルのヴィラでありすべて込み、何もしなくても良かった。2度目の家は個人が家主だったが、生活に必要なものはすべて整っており、こちらも移り住むだけ。当局への登録やユーティリティー関係利用のための契約は必要だったが、まだ楽であった。
新たな家には見事なほどまったく何もない。
アブダビではこれが普通で、移ってくる人が自分の趣味に応じて家を作っていく感じである。というわけで、最低限必要な家具や家電を用意する必要に迫られた。結果的にはお世話になった不動産エージェントのアドバイスに従って、家具はIKEAのAS-ISという在庫処分的な家具売り場ですべて揃えた。まとめて大量に買ったこともあって、定価の5-6割引きで買えた。
家電はテレビ、洗濯機、掃除機をカルフールの家電売り場で買った。
買ったは買ったで、デリバリーがなかなか予定通り来ない。本日最後のデリバリーとなる洗濯機が夜9時過ぎに来たが、設置したあとでうまく作動しないことが判明し、持ち帰って仕切り直し。。まあこの国で焦っても仕方ないねえ。
そんなバタバタな日々を至近では過ごしているが、先週末から徐々に新居に軸を移していて、朝の海岸の散策などを楽しんでいる。
外洋に面しているので、アブダビの海岸では珍しく白波が立つ。
まだ早朝なので、俺のお気に入りのレストランも心を込めて準備中であった。
まだ当局関係の登録が一部残っているが、ほぼ引っ越しミッションコンプリートとなった。やれやれ。
今回の引っ越しをきっかけにして、気分を一新してアブダビ生活をアップデート、アップグレードして臨みたいところだ。