anezakimanのアブダビ日記

アラブ首長国連邦アブダビ首長国に駐在になりました。そこで出会ったことを綴ります。

続•難路、日本への道

前回書いたようなことを、もう少し広く日本の方にも共有できないかと考えていた。こうした海外渡航が極めて厳しい異常下で、アブダビと日本を何度も往復した人は少ないだろうし、こうした日本での不便・不都合な状況、またアブダビとの違いを大多数の日本人はまったく知らないと思うからだ。

そこで思いついたのが、日本経済新聞朝刊の「私見•卓見」という読者投稿のコーナー。毎日1件だけ、読者と言っても錚々たる投稿者が多く、無理だろうなあと思いつつ投稿したら、「コロナ下の入国管理は合理的に」というタイトルで、本日の朝刊に掲載してくれました。以下、電子版に載っていた写真とともに、一部抜粋。

入国のため書類確認の窓口で手続きを待つ人たち(2日、成田空港)

この状況下、アブダビ・日本間の往来には様々な規制があったが、家庭の事情もあって20年7月から1年間ほどで4回、両国を行き来した。

日本への入国時には成田空港でのPCR検査、ホテルへの隔離、自宅待機という一連の水際対策を経験した。こうした施策は合理的と思う一方で、例えば今年7月の成田での入国時は、唾液検査、各種書類やアプリのチェックなど多くの手続きがあり、航空機を出てから隔離先のホテルの部屋に入るまで6時間以上かかった。

他方、アブダビでは空港での入国手続きはシステマティックで、常に1時間以内であった。ワクチン接種歴、PCR検査歴がアプリで一目で分かり人流管理も容易になっていた。本人には脱着できない全地球測位システム(GPS)付きのリストバンドを空港で着けさせられ、自宅待機中は24時間の監視下におかれた。規制に違反した場合は高額の罰金が課される。

日本では入国時の待機要請などに従わない人に、氏名公表というアナログな対応策を採用しているが、それとは雲泥の差である。

日本とUAEは歴史や政治形態、国民性、デジタル社会への順応性など多くの違いがあり、全てを同じようにするわけにはいかないだろう。それでもコロナ対策で学べることは多いと感じている。

オミクロン型の世界的拡大で、いったん緩和された日本の水際対策も再強化された。それには従うしかないが、いたずらに規制を厳格化するだけではなく、科学的・合理的な運用を望みたい。

そして再び難路となった日本に、今晩またトライいたします。