anezakimanのアブダビ日記

アラブ首長国連邦アブダビ首長国に駐在になりました。そこで出会ったことを綴ります。

アラブ首長国連邦のリーダー交代

昨日、当局から自宅に派遣されたスタッフにより受けたPCR結果が無事陰性となり、本日再度受けて陰性であれば、明日からでも娑婆に出れそう。よしよし。

さて、そうした隔離生活を送っていた最中、この国の大統領、Sheikh Khalfa bin Sayed Al Nahyan(文字通り訳せばナヒヤン部族出身、お父さんがSayed、名前がKhalifa の部族長)が逝去されたと報じられた。

1948年生まれ、享年73歳。偉大なUAE建国の父、Sheikh Zayed bin Sultan Al Nayhan の長男として生まれ、Zayed初代UAE大統領が亡くなられた2004年に第二代UAE大統領に就任、現在まで18年近く大統領職を勤められた。

しかしながら、2014年に脳卒中を患って手術を受け、俺がこの国の事業に本格的に係わり始めた2017年前後には、すでに病が重くなってほとんど表舞台に出ることはなかった。エミラーティから漏れきいたところによると、お酒がお好きだったそうで、偉大なる父の跡を継いで大いなるプレッシャーがあったのではと勝手に推測している。

もちろん、Zayed初代大統領の偉大な功績を引き続き、ここまでアラブ首長国連邦の発展に尽くされてきたことは論を待たない。この国の繁栄に預からせてもらっている一人のエクスパッツとして、心よりご冥福をお祈りしたい。ちなみにこの逝去に際して、UAEとして40日間の喪服期間と至近3日間が公休日(土日月)となった。

その後継大統領はすでに規定路線であるが、アブダビ首長国皇太子であった Sheikh Mohamed bin Zayed Al Nahyan(通称MBZ)である。逝去の翌日、さっそく発表された。一応形式上は、7つの首長国の首長(Ruler)からなる Supreme Council(最高評議会)で選ぶことになっているが、この国の大統領はアブダビ首長、副大統領兼首相はドバイ首長がなることになっていて、満場一致でMBZが選ばれている。

UAE leaders in Abu Dhabi

1961年生まれの61歳。すでに2015年前後から実質大統領として内外で活躍されており、サウジアラビアの実質リーダーである皇太子 Sheikh Mohammed Bin Salman Bin Abdul Aziz(通称MBS)と昵懇の仲とされ、 GCC連合の政策を一緒にけん引してきた。最近のイスラエルとの国交正常化や、周辺国との関係強化など、優れた外交感覚を持つとされる。

また経済発展の礎として人材教育に力を入れていて、日本的道徳教育に関心を持って日本人幼稚園、日本人学校にUAEの子供を入れる施策をリードした。人間としても魅力的なリーダーとして、国民に絶大な人気を誇る。

実は俺も赴任後すぐの2017年冬、この方に謁見する幸運に恵まれ、実際に声をかけてもらって感動した記憶がよみがえる。

あるお方 - anezakimanのアブダビ日記

これは俺のお宝写真となっている。

名実とともにこの国の新たなリーダーの誕生にお祝い申し上げるとともに、更なる発展に期待し、俺も微力ながらその一助となりたいものだ。

ところで、MBZ後継のアブダビ皇太子(次の大統領候補)に関心が行く。候補としてZayed元大統領の子供(MBZの兄弟)がまだ何人かいる一方で、MBZのお子さんがなるという話もある。この辺りは、Nahyan部族内での激しい権力闘争があるとも言われている。発表を待ちたい。