フジャイラ海釣り体験記
1か月ほど前、ドバイで日本人の知人・友人たちと飲んでいた。そのなかで釣り好きの方がいて、海釣りの魅力を語っていた。そこでぜひ皆で行ってみようと盛り上がった。こういう場合は往々にして翌朝にはきれいさっぱりと忘れてしまうのだが、時には名幹事が現れて実現する。今回もまさにそのケース。きめ細やかなフォローでどんどん物事を進めていくTさんのリーダーシップのおかげで、以下の驚くべき海釣り劇が始まった。
Tさんが探してきたのがフジャイラ港にある海釣りボート会社。休日の午前3時30分、アブダビの自宅を出発。釣りと魚捌きが趣味という今回のツアーに打ってつけのKさんと合流して一路フジャイラへ。夜明け直後の6時30分に集合場所の港に到着。
IDの登録と誓約書のサイン後にさっそく乗船。この7人の精鋭たち(うち2人が釣り趣味、あとの5人は俺含めて殆ど初心者)の釣果やいかに。
スリランカ人乗員2人と我々7人を乗せた釣り船ボートは一路沖合へ。そこは沖待ちしているタンカーがたくさんあって日本の石油会社もタンカーも見える。
30分ほど走ってタンカー沿いに停船してさっそく海釣り開始。船から出る排水などで小さな魚が集まり、それを餌とする魚を釣りやすいとのこと。
そうして驚くことに、釣り糸を垂らした先からどんどん魚がかかり、まさに入れ食い状態。
全員がこの大きなシイラ(米国ではまひまひと呼ばれる高級魚だとか)を次から次へと釣り上げる。
この序盤の15分ほどは竿を投げてはひっかかり、リールを巻きあげて釣り上げ、また餌(生きたアジ)をつけては竿を投げてはひっかかって釣り上げることの繰り返し。魚も必死なので時間と力をかけて引き上げる。ちょっと離れたところで針にかかったシイラがジャンプする醍醐味も。
開始から30分ほどで備え付けのクーラーボックスがほぼ一杯に。刺身用に新鮮さを保つため、Kさんは血抜きの作業をしているが追っつかないほど。
こうして海釣り開始直後の驚愕と喧騒の時間を過ごした後、場所をいくつか変えて釣り糸を垂らすが、その後はまるで魚がいなくなったようにぱったりと釣れなくなった。10時頃、暑くなってきたし相当釣れたのでそろそろ帰ろうかと話しつつ、他の釣り船が釣っていた場所に移動。そして第二の波がやってきた。
最初の入れ食い状態と同様、釣り糸を投げた瞬間から餌にかかり、しかも船の周りにも多くの魚影が見える。食いついた海中の魚が強い力で糸をぐいぐい引っ張るので、船上では仲間が引っ張られて右に左に移動して大忙し。時には糸が絡まったりしてカオス状態。
どんどん釣れるのでクーラーボックスに入らなくなり、氷のない船の床下に収納する状況に。
こうして最後は狂喜乱舞状態、大満足の海釣り体験を終えて11時過ぎに帰港したのであった。
釣果はなんと36匹。
一人平均5匹で確かに皆それぞれこれくらい釣った実感。これを港にいる業者に次から次へと3枚に捌いてもらう。
総料理長のKさんも1匹ご自身で捌く。
氷を買って持参してきたクーラーボックスに何とかすべて詰め込む。
こうして海釣りは大漁のうちに満了。第二部は大豊漁を祝って釣れた魚を調理しての大宴会。ドバイのTさん宅に全員参集。Kさん、Yさん、Tさん中心に刺身、焼き魚、鍋を用意してもらう。
新鮮で美味な魚料理に舌鼓を打ちつつ、ビール、白ワイン、日本酒、焼酎を楽しむ。
最後は和食名門のTOMOに席を移し、さらにビールと焼酎を飲みつつ、ラーメンなどの夕食でしめる。終わったのが21時近く。濃くて長い興奮の1日がこうして幕を閉じたのでありました。Tさん、皆さん、ありがとうございました。