anezakimanのアブダビ日記

アラブ首長国連邦アブダビ首長国に駐在になりました。そこで出会ったことを綴ります。

聖と俗の間で

お釈迦様の仏教修行を継続中。毎朝の座禅10分プラス、ラジオ体操第一・第二・第三、アクティブ体操パート1・パート2、合計30分が完全に定着した。これらをワンセットにして今後は「朝のお勤め」と言語化してルーティーン強化を図っていく。

足元、仕事関係で日々ジェットコースター的アップダウンの連続であり、諸行無常、諸法無我などと唱えながら何とか精神的な安定を保っている。。

仏教関係のいろいろな本を漁っているうちに、インドで活躍されている驚異的な仏教僧を知ることになった。すでにその世界では超有名な佐々井秀麗さん、インド名アーリヤ・ナーガールジュナ氏である。

インド在住歴半世紀以上、現在87歳の高齢にも係わらず、インドのナグプールというデカン高原の真ん中にある都市をベースに、インド1億人とも言われる仏教徒の先頭に立っている方だ。

佐々井氏の波乱万丈の人生が下記2冊の本にまとめられており、一気に読んだ。またYouTubeでも映像がいっぱい。なんとも凄い日本出身のお坊さんがいたものである。

さて、こうした聖の世界に引き続き触発されながら、俗の世界でもいろいろと活動中。いつもの仲間と砂漠のバーベキュー+キャンプに行った。日帰りの砂漠バーベキューは至近で何度か体験しているが、泊まりは2年半振り2回目である。

日が昇っているうちは40度を超す暑さのため、車内の即興バーでビールなど飲みつつ歓談。日が沈んだところで外に出てまずは全員で記念写真。

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その後いつも通りにバーベキューの設営、宴会、そして今回はカラオケまで実施しての大盛り上がり。

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俺含む4人残して日帰り組が10時過ぎに帰る。俺はウイスキーをちびちびやりつつ、うとうとしつつ2時にテントに入って就寝。翌朝は6時前に起きて日の出を拝み、

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前日の残りで朝食をいただく。

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こうして愉快・痛快な時間を過ごして、7時過ぎにはテントをたたんでアブダビに戻った。

それからも毎晩宴会を続けつつ、土曜日には再びフジャイラ海釣りに参加。これまでの飲み疲れに前夜の二日酔い、寝不足、暑さなどが一気に押し寄せ、ボートに乗ったものの釣り糸を垂らせたのは最初の1時間弱で、あとはずっと寝ていた。。

これまでの最大参加人数10名で、釣果もマグロ8匹含む大豊漁。

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ただし俺は冴えないままで、いつもの幹事T氏宅での宴会もスキップさせていただき、家に直帰せざるを得なかった。これまでの悦楽・煩悩に満ちた生活に対するお釈迦様の警告、さらにはやはり殺生するべからずのメッセージかななどと思うのであった。

一方でお釈迦さまは中道を説いておられ、聖と俗の間でうまくバランスを取りながらやっていけば良いかななどと都合の良い解釈もしております(笑)。

修行の道の第一歩

お釈迦様の教えに従って自分を見つめ直すきっかけにしようと、自分なりの修行生活を8日間続けた。毎朝の座禅、体操、海岸ラン、その間に3回のサイクリング、1回のヨガと、体の鍛錬と瞑想。

新たな知識習得として、仏教に関する映画を漁ってアマゾンプライムで何本か観た。

  1. 『釈迦』(1963年)
  2. 『三蔵法師・玄奘の旅路』(2016年)
  3. 『空海』(1984年)
  4. 『禅 ZEN』(2010年)

1は日本人が作り、古い映画ということもありちょっとピンボケ感。2は中国制作で映像もストーリーも迫力があって見ごたえあった。3、4もそれなりに有益なインプットとなった。

そして週末含むこの8日間の夜は、誰とも交流せずに家で孤独に過ごす。これはアブダビに来て以来初めてのこと。いつも誰かしら話相手、飲み相手が欲しい自分がいたのだ。さらにこの間、自主的な6日間の断酒。こちらもお酒を本格的に飲みだした18歳以降、恐らく初めてのことだろう。

もちろん本物の修行僧から見たら一笑に付されようけど、俗世にまみれた還暦のおやじにとっては、結構大変なことであった。この2023年5月初めの8日間を、お釈迦様帰依への修行の道の第一歩だったとして、俺の記憶の中にとどめておこう(大げさだね。。)。

さて、この8日間の前後にちょっとした象徴的なイベントが2つあったので記しておきたい。修行に入る前の土曜日、第5回目のフジャイラ海釣りイベントが実施された。今回は総勢9人、うち女性が3人と華やかな会となった。

釣果も、マグロx1(船長)、カツオx2、シイラx1、バラクーダx2、スルタン(という名の小さい赤い魚)x3、ハムールx1と上々だった。

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しかしながら俺は前回に続き、半日ずっと竿がピクリともせずに坊主。そう、俺は坊主なのだ、無用の殺生はしてはいけないのである(ここから坊主という言葉ができたのかな?)。ただし他の方が釣ったお魚は、命をつなぐという意味で無駄にしてはいけない。

マグロ刺身、カツオたたき、シイラムニエル、ハムールは鍋、スルタンは煮付け、そして兜焼きなど、いつもながらの豪勢なお魚料理を、皆様と歓談しながら楽しくいただいた。お魚さんたち、皆さんの命を大事につながさせていただきます。

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そしてもう一つのイベントは、修行のことなどまったく念頭に無かった4月後半に、たまたま見つけたドバイでのDesert Palm X-Country Runという自然に中を走る市民マラソン。10Kコースを登録していて、これが修行の最終日の日曜日に重なった。修行の一つの区切りになると思い、張り切って参加した。

早朝6時スタートに間に合わせるため、アブダビを4時に出発。当日は気温22度と低いものの湿度90%と湿気たっぷり。ドバイ内陸の Melia Desert Palm というリゾートホテル周辺を走るこじんまりとしたマラソンながら、ポロ競技場、馬場を中心に芝生あり砂道あり坂ありの変化に富む自然豊かなコースである。

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目標は1時間以内と定めてスタート。途中、アゴが上がってよたよたしながらも何とかゴールイン(以下主催者提供写真より)。

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結果は10k男子参加者64人中30位(50歳以上参加者19人中11位)、時間は58分46秒と何とか1時間を切ることができた。

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修行の道の第一歩の有終の美を飾るものとして、10kマラソンを目標時間内で完走することができた満足感に浸る。

これらの第一歩修行前後のイベントの意味ありげな結末を鑑みるに、やっぱりお釈迦様に導かれていますね(考えすぎ・苦笑)。

修行 to be continued...

仏教に帰依中

日本は黄金週間真っ只中で、お出かけなどコロナ明けの休日を楽しんでいることだろう。こちらはと言えば、通常通り仕事を淡々とこなしつつ、毎朝座禅で瞑想を深め、体操、海岸ラン、仕事後のサイクリングとせっせと体を動かし、そして夜は酒も飲まずに一人で家で読書三昧。まるで修行僧のようだ。

そう、実は今、仏教にはまっているのだ。そもそも当地のラマダーン月で宗教心を高めようとクルアーンを読み始め、関連する宗教本を読み、たまたまラオスに行くことになったので、仏教関連の本を読み始めたら止まらない。Kindle Unlimitedなども最大限活用してここ数週間で読んだ本。

  1. 般若心経(佐々木閑)
  2. 仏教・神道・儒教集中講座(井沢元彦)
  3. 浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか(島田裕巳)
  4. ブッダ・全14巻(手塚治虫)
  5. 大乗仏教 ブッダの教えはどこへ向かうのか(佐々木閑)
  6. 本当の仏教を学ぶ一日講座 ゴータマは、いかにしてブッダとなったか(佐々木閑)
  7. 真理のことば ブッダ(佐々木閑)
  8. ブッダ伝 生涯と思想(中村元)

日本人の宗教に関する意識、関心は低い。俺もこれまでは冠婚葬祭のときだけちょっと意識する程度で、まったく興味が無かった。2の本によると、織田信長が比叡山延暦寺の焼き討ちや一向一揆の徹底排除を断行したことで宗教の政経分離が早い時代にしっかりと行われたこと(欧州ではさらに2世紀かかったと)、徳川家康時代に確立した檀家制度でお寺さんは何もしなくとも門徒が固定されて営業努力をしなくなったこと、さらに明治維新後、政府が推進した国家神道・廃仏毀釈で仏教全体に逆風が吹いたことが背景だという。

加えて太平洋戦争後は、天皇を神とした国家神道的イデオロギーの徹底排除というGHQの方針もあり、学校教育で宗教を扱わなくなったなど、言われてみれば納得の歴史経緯があったのだ。

改めて上記書籍で仏教に触れてみると、仏教と言っても多種多様で、世界的には原始仏教、上座部仏教、チベット仏教、大乗仏教、そして日本でメインの大乗仏教にも有名なものだけでも天台宗、真言宗、浄土宗、浄土真宗、曹洞宗、臨済宗、日蓮宗など、小さいものも入れたらさらに増える。

仏教全体の歴史もなかなか興味深い。約2500年前にインドでブッダが始めた仏教だが、インドでは既存宗教のバラモン教が発展進化したヒンドゥー教に押されて廃れたが、スリランカやタイ、カンボジア、ラオスではしっかりと定着し(上座部仏教)、一方である種の宗教改革で枝分かれした大乗仏教が中国経由で日本や韓国に伝わった。

日本では飛鳥・奈良時代の鎮護国家としての仏教から始まり、平安時代の貴族の庇護により花開いた仏教信仰と荘厳な文化、鎌倉時代の武家精神にマッチした禅宗、一般大衆向け救済としての浄土宗・浄土真宗など、その時の時代背景にマッチした様々な宗教思想が展開していて、知的好奇心をくすぐるのだ。

そして21世紀前半の混とんとした時代、混迷かつVUCAの状況下、心が不安になりやすい今、仏教が見直されているという。それも念仏を唱えさえすれば救われるといった大乗仏教的な教えではなく、お釈迦様(ブッダ)がそもそも主張した原始仏教(厳密には同じではないらしいが、基本上座部仏教)が世界的に人気を博しつつあるらしい。

俺もまずは上記書籍のなかの手塚名作漫画である4のブッダ本で始祖の人生と考えに触れ(アジア旅行の前と後で全14巻を2回読んだ、面白い)、一連の佐々木本(この方は京大理系修士を出たあとで仏教の博士号取得、現在は花園大学教授。実家が福井の浄土真宗のお寺、大学は禅宗臨済宗の大学、そしてご本人はブッダベースの原始仏教を支持中という、多様な仏教を象徴するような御仁)でブッダの思想にはまりつつある。

現在修行を始めたばかりであり理解したとは言えないが、俺なりに共感したポイントは

  • 人生は山あり谷あり、あらゆるものが変化する諸行無常の世の中であり、本質的には老病死に向かって進む道、安逸にはいかない、一切皆苦と心得るべし。
  • 諸法無我、自分自身のあるべき究極の自己などない、周りの人間・生きものとつながって初めて存在しているもの、謙虚であるべし。
  • あらゆる結果には原因があるという因果律、因果応報。起きたことはすべて自分の責任、言い逃れしない。
  • こうしたなかで、悟り(心の安逸)を得るためにはあるがままに自分と人間を見つめ、ブッダの教えに従って叡智を目指せ、真理を求めよ。頼るものは自分と(合理的分析的)仏法だけである。自己鍛錬に努めよ。

全体的に自立心に満ちた自己鍛錬を求めており、厳しい内容だが潔さも感じられ、心のありようを変えるきっかけになる予感がしている。また、ここ1か月内の異国、異宗教環境下での偶然とも言える仏教との出会いに、お釈迦様のご意思すら思ったりする。出来れば近いうちに仏教の最大の聖地、インドのブッダガヤ周辺にも行ってみたいと考えている。

お釈迦様、ブッダ様、今後ともご指導、お導きをよろしくお願いいたします。

(ラオスのお土産屋さんで買った仏像)

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(ビエンチャンでの敬虔な仏教徒との出会い)

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タイ・ラオス・インド旅行記 後編

インド南西部ケララ州。アラビア海を挟んでUAEのお隣に位置する。交易中心にUAEと歴史的なつながりが深く、一説によるとUAEの出稼ぎの半分がインド人、その半分はケララ州出身という。当社もスタッフ中心にケララ州の社員が十数人いる。

距離的にも近く、社員を通じて親しみもあったので、前から行きたいと思っていたが、観光ビザ取得の必要もあり躊躇していた。今回Eビザを事前に取得し、東南アジアの帰途、寄ってみることにした。

コチはケララ州の首都ではないが州最大の都市であり、観光資源に恵まれていることもあり人気の地だ。今回、実質1.5日の滞在を有意義に過ごすため、地球の歩き方『南インド』で紹介されていた日本人観光客向けの現地旅行代理店にツアー一式をお願いした。テーマは自然、歴史と文化、そしてアーユルヴェーダである。

4日目。

前夜、コチ空港に到着し、代理店で手配いただいたドライバーさんに迎えに来てもらい、代理店経営のホテルにチェックインして就寝。

朝、さっそくホテル周辺を散歩。豊かな水と緑に心が洗われる。

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ホテルのレストランで代理店会社経営のご夫婦と朝食。奥様は日本人でインド在住20年以上。

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本日の目的地はコチから車で1時間半ほど南下した湖沿いの Coconut Lagoonというリゾート。川沿いに車を降りて、この地特有のバックウォーター風景のなかをボートで下る。

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川沿いの女性たちに手を振ると、ちゃんと笑顔で応えてくれる。

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10分ほどでホテルに到着、楽器演奏でお迎え。

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自然が豊かで南国情緒たっぷり。

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この雰囲気たっぷりのヴィラが俺の宿泊地。

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ハイシーズン終わりかけもあり、一泊朝食付きで日本円で一万円ほど。いろいろな無料アクティビティもあり。

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さっそくアーユルヴェーダにトライ。この部屋で男性二人での強力な全身マッサージのあと、頭だけ出した木製機械で38度のスチームに全身を囲い、体中の汗、毒素を出す。悦楽の世界。1時間半のコースで約1万円。

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その後、ケララ名物のココナッツの葉に並んだランチを食べ、

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部屋で昼寝したあとは、無料アクティビティに参加。夕陽クルーズで出かけ、

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瞑想も体験。

夕食はシーフード。ビールはいつもこの国のキングフィッシャー。

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こうして自然と癒しの1日が終わったのであった。

5日目(最終日)

早朝、朝陽を感じながら豊かな自然のなかを散策。

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昨日の瞑想と同じ道場で導師の指導のもとでヨガ教室。アブダビでもやっているので楽しめた。

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朝食をいただいた後、

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リゾートマネージャーに見送られながらホテルを9時にチェックアウト。

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最終日は歴史と文化のツアー。コチ市内に戻り、歴史地区を日本語のしゃべれるインド人ガイドさんと一緒に駆け足で廻る。ケララ地区はポルトガル、オランダ、イギリスの支配を受けた歴史を持ち、宗教的にもヒンドゥ教のほか、キリスト教、イスラム教の信者も多い。異文化融合の雰囲気が際立っている。

ユダヤ教のシナゴーグ。

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聖フランシス教会。

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この地で亡くなった有名な方のお墓があるという。

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インド航路を発見したヴァスコ・ダ・ガマさんでした。ただし遺体は母国に送られたそうで、ここにあるのは墓石だけ。

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海沿いに広がるこの地独特の釣り方式、チャイニーズ・フィッシィング・ネット。

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最後は空港に行く途中に、UAEお馴染みのLuLuの巨大モールに寄ってティータイム。LuLuの創業者はケララ州出身。当たり前だけどUAE以上にインド人だらけ(笑)。

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その夜の Air Arabia便でアブダビに戻り、こうして怒涛のような5日間が終わった。

バンコクとビエンチャンで仏教文化を堪能し、コチも含めたアジアの豊かな自然のなかに身を置き、マッサージやアーユルヴェーダで体を癒し、コチの多様な異文化を体感できた。そして友人たちと旧交を温められた。とても有意義なアジア3都市ツアーであった。

さらにアジア人の親切さ。バンコクで階段下りる途中で2,000バーツの札束を落としてしまった。本人が気づかずにいると、爽やかそうな青年から呼び止められ、お金を落としましたよと教えてくれた。早朝、ほとんど誰もいないなかである。

ビエンチャンでは入場に必要な現地通貨が足りずに寺院から去ろうとすると、訪問客からこれで入って下さいとお金をくれた。多い金額ではないけど現金は現金である。

コチ滞在すべてをアレンジしてくれた旅行代理店、Evergreen Travelsさんには大変お世話になった。細部に至るまできめ細やかにコーディネーションしてくれた経営者の日本人女性のMさん。地質学の博士号を持ち、日本にも住んでいて堪能な日本語でコチ市内をガイドしてくれたインド人のJさん。ただの仕事ではない、ホスピタリティーを感じさせていただいた。

ということで、心技体すべてが充電できたイード休暇の時間と空間となりました。やっぱり旅は最高だねえ。

タイ・ラオス・インド旅行記 前編

行ってきました、3か国の3都市を実質5日間で巡る旅。2度目のタイの首都バンコク、ラオスの首都ビエンチャン、そしてインド南部ケララ州のコチは初めての訪問となる。テーマは仏教、自然と癒し、そして旧友との交流といったところ。

まずはタイとラオスの前編。水曜日の夜、Etihadでアブダビからバンコクへ。木曜日の朝8時過ぎに予定通りバンコク・スワンナプーム空港に到着。

1日目。

以前ドバイ駐在時代に交流があり、現在バンコクで仕事をしているTさんが空港まで迎えに来てくれる。彼と一緒に午前中タイ式マッサージで疲れを癒し、お昼は鰻を食べて元気回復。ホテルにチェックインして一休み後、1時間半ほど歩き回る。大都市の中にも緑豊かな森林公園あり。

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公園の中にはこの国らしくブッダ様が鎮座されており、さっそくお祈りを捧げる。

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夜はお付き合いの長い親友のAさんと夕食。同世代の彼と日本酒と和食でくつろぎつつ、昔話から今後のことなど話は尽きない。

2日目。

朝、ホテル近くの公園でいつも通りのラジオ体操、アクティブ体操で体をほぐす。朝食後、バンコクのドンムアン空港まで電車とバスを乗り継いで移動。昼過ぎ発の便でお隣の国ラオスのビエンチャンまで空路約1時間。ラオスは初めての国ゆえ、地球の歩き方の他、Kindleで下記2つの本を読む。

村上さんの本の題名通り、あるいは世界一何もない首都と言われているように、ラオスの首都ビエンチャンは素朴な田舎町であった。一方で後者の本にあるように、この国は豊かな仏教文化、仏教心の厚い人々で溢れている。この国で一番有名な観光地は、町全体が世界文化遺産に登録され、托鉢で有名なルアンパバーンという中部の町。今回は日程の制約あり、ビエンチャンだけの訪問である。

ホテルチェックイン後、さっそく市内を散策、いくつかの有名な寺院を廻る。16世紀に建立されたワット・ホーパケオ。

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伝説の女性が眠ると言われていて、女性のパワースポット的に人気のあるワット・シームアン。

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ラオスはフランスの旧植民地。凱旋門にならったこんなランドマークも。パトゥーサイ。

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今回、この国を訪れるきっかけとなったのが、アブダビ赴任中に自転車部や異業種交流会で大変お世話になり、いったん日本に帰任された後、先月からビエンチャンに赴任されたWさんに会うこと。再会を喜び合い、まずはメコン川沿いの野外バーでビールで乾杯。

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さらにラオス料理レストランでラオス産ビールのビアラオと焼酎で乾杯。

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ラオス音楽の生演奏もあるレストランは中国観光客で満員。

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新天地で新たな仕事にチャレンジしているWさんとの話も尽きぬまま、夜は更けていくのであった。

3日目。

引き続きWさんにお付き合いいただき、まずは朝食。現地の人しか行かないような郊外の野外レストランで、清々しい雰囲気の中、絶品のヌードルスープを楽しむ。

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続いて知る人ぞ知るブッダ・パーク。ビエンチャン郊外の公園に様々な仏像、石像が並ぶ。ブッダといいつつ、他の宗教も交じっていてちょっと不気味か。

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途中、旬のココナッツジュースでのどを潤す。

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ラオス最後の訪問はビエンチャンのシンボルといわれているタート・ルアンという金ピカ寺院。

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巨大な黄金の涅槃像が有名。

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膨大な仏教文化に圧倒されて、もやは一心に祈って帰依するのみ。

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午後、Wさんと名残惜しくも別れを告げ、バンコクのドンムアン空港に戻る。次のフライトの乗り継ぎ時間が5時間あったため、空港内のタイ式足マッサージで疲れた足をほぐし、日本飯もある空港内巨大フードコートでカツカレーとシンハービールの夕食。

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そうして次の目的地、インドのコチに向かうのであった。

完・ラマダーンで調う

本日で俺の今年度ラマダーンは満了、心技体の調いも完璧になったね(自画自賛)。この国にいる間は昼食抜き断食を完遂し、座禅や運動もほぼ毎日。宗教関係の本を通じて、宗教心が芽生えてきた(クルアーンはまだ途中だけど。。)。イフタール等の飲み会を通じて、友人との交流も盛んだった(7割は飲み歩いてた感じ。。)。

そして最後の仕上げというわけではないけど、近所に出来た興味深い場所に本日行ってきた。先月オープンしたばかりの、Abrahamic Family House(アブラハム一家の家)である。

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聖書の預言者アブラハムの神を受け継ぐと称するユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3大宗教のお祈りの場、シナゴーグ、モスク、教会が一堂に揃う、この国が謳う共生と寛容の精神が発揮された場所である。ちょうど今読んでいるクルアーンには、これら3宗教の関係性が何度も出てきて(もちろんイスラム最強、キリストやむなし、ユダヤ何なの、といった論調か)、以前よりずっと親近感を覚える。

それぞれの信者のお祈りの場として機能するのはもちろんだが、どちらかといえば観光客用に充実させており、展示物、お土産スペース、そして30分程度のツアーガイドもある。俺は最後の15時40分からのツアーガイドに参加した(入場料、ツアーガイド料とも今のところ無料)。

最初はもちろんモスク。

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続いてシナゴーグ。

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最後に教会。

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いずれも白を基調にした現代的なデザインが眩い。真ん中に展示スペースがあり、そこからそれぞれのお祈りの場につながっている。シナゴーグには初めて入ったし、セム的一神教の世界を徒歩数分圏内で一度に味わえる場所はそうそうないだろう。3大宗教の聖地が集まるエルサレム旧市街でも徒歩15分はかかる。今年のラマダーンのフィナーレとしてふさわしい、とてもユニークな体験ができたと思う。

さて、明日からのラマダーン明けのEid Holidays。今年はどうやら来週月曜日までお休みの可能性高く、週末はさんで5連休となる。ありがたやー、Eid Mubarak!

旅に出ないわけにはいかないねえ。今回は旅心プラス宗教心を合致させ、仏教関連地域に挑むことにした。では今から行ってきます。

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続・ラマダーンで調う

本日がラマダーン 26日目。残すはあと3日か4日(お月様が見えるかどうかで変わる)。出張でこの国にいなかった5日間以外の21日間、すべて昼無し断食を継続できている。座禅も出張中含めてほとんどやれている。毎朝の瞑想は心を落ち着かせるね。

運動も通常の期間よりもやれている感じだ。毎朝の体操、週2回のサイクリング、そして週末中心とした海岸ランとヨガ。体がすっきりするね。

そして今回の最大の収穫は宗教系の知識とマインド涵養。まずは下記で主要な宗教の歴史と内容を改めておさらい。

本書のイスラーム教の項で推奨していた下記本を読む。

後半の内容ポイント紹介部分が分かりやすく、実際のクルアーンにトライしてみたいと思った。日本滞在中にAmazonでクルアーンの新しい和訳の下記本が出ていることに気付き、さっそく購入(著名なのは岩波文庫版コーラン全3巻)。

7世紀に20数年かけて預言者ムハンマドが聴いたアッラーのお言葉を、3代目カリフのウスマーンがまとめた壮大な神の啓示集。国や時代背景の違い、話があっちこっちに飛んだり、くどいほどアッラーの称賛の部分が出てきたり、そもそも口述で紙に書かれて読むことを想定していなかったなど、確かに日本人には分かりづらい。それでも上記本に助られて、遅々としながらもあちこち持参しながら半分近く読み進めている。

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クルアーンは唯一アラビア語のみ正当であり、外国語に翻訳したものはクルアーンと見なされない(解説本という整理)という。従って世界中のムスリムの人たちは、アラビア語でこれを(一部のみも含めて)詠むという。こうした深みのあるイスラームを、ラマダーンを契機として感じられていることは嬉しい。

そしてラマダーン期間中の楽しみが、イフタールやスフールと言われる断食前後の交流、会食の機会である。ビジネス関係での公式的な場もあったが、

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なんと言っても友人・知人との集まりが楽しい。M氏の壮行会も兼ねて。

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外での外食も楽しいが、この時期家飲みも充実。久しぶりの『飲み屋佐藤』の再開店に集う。

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ワインベッドセラー(笑)。

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アブダビ自転車部有志で、Sさん宅に料理を持ち寄ってのイフタール。

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会社同僚のSさん宅で、社員とSさんこだわりの手料理の品々を味わう。

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こうして心、体、頭、胃袋とラマダーンを実感、体感、全身が調っていくことでありました。