anezakimanのアブダビ日記

アラブ首長国連邦アブダビ首長国に駐在になりました。そこで出会ったことを綴ります。

週末弾丸パックパッカーを総括する

アブダビ日記の最終ページを閉じるに当たり、もう一つ総括すべき重要な事柄がある。俺が週末弾丸バックパッカーと称している、海外のプライベート旅行である。実は最近、中東政治経済時事問題の老舗月刊メールマガジンの「中東協力センターニュース」という媒体に、俺の拙文を掲載いただいた。この海外旅行のことを綴ったもので、題して「アブダビ発、還暦バックパーカーが行く」(下記リンク参照)。

センターニュース・ライブラリー(PDF) :(一財)中東協力センター (jccme.or.jp)

この内容とも一部重複するが、下記にまとめておく。

アブダビ駐在中、単身赴任でゴルフもしないため、週末は手持無沙汰であった。もともと旅好きだったこともあり、またUAEは狭い国土ながらアブダビ、ドバイ、シャルジャの3つの空港から、中東に加えてアジア、欧州、アフリカの多くの都市に飛行機を飛ばしていて、地理的に便利であった。

とりわけ、アブダビ空港を拠点に Wizz Air、Air Arabia Abu Dhabiと2つのLCC航空会社がコロナ禍後から本格的に欧州、アジア中心に航路を広げたために気軽にあちこち行くことができるようになった。

その結果として、2018年5月の初回のアルメニアから、2023年8月の最後の中欧4か国訪問までの5年ちょっとの間(海外旅行に行けなったコロナ禍の2件間を除くと実質3年ちょっと)で、海外旅行に行った回数が28回,訪れた国は下記27カ国に達した。

  • 中東8カ国:サウジアラビア,カタール,オマーン,イラン,ヨルダン,レバノン,トルコ,イスラエル
  • アジア9カ国:タイ,ラオス,ネパール,インド,スリランカ,ウズベキスタン,キルギス,アルメニア,アゼルバイジャン
  • 欧州8カ国:イタリア,ドイツ,オーストリア,ハンガリー,スロヴァキア,セルビア,ボスニア・ヘルツェゴビナ,アルバニア
  • アフリカ2カ国:エジプト,モロッコ

こうして経験、知見を蓄積してきて、俺なりのバックパッカー道として下記5原則を確立、磨いてきた。

  1. なるべくいろいろな国を数多く見て廻る。週末および長期休暇を最大限活用し,長期休暇以外は UAE から飛行機で3-5時間以内で行ける国が中心。UAEから飛行時間5時間を超えたのは、ドイツ、モロッコ、タイ。
  2. 旅の主な目的は,歴史や文化の道をたどり,自然を体感し,そして地元の料理と飲み物を味わうという3点。
  3. 現地の人たちと積極的に交流を図る。
  4. インフラ的なコストは極力下げる。飛行機は LCC を使い,国内移動は極力徒歩,電車,バスを活用。ホテルもコスパを重視して選択。
  5. 事前に飛行機とホテルは押さえるが,それ以外は気ままに柔軟に現地で対応。それもあって原則一人旅。複数で行ったのは社員と行ったナポリ、アゼルバイジャン、アブダビの友人と行ったキルギス、イスラエル、シチリア島の5回であった。

これまで行った国でどこが一番良かったかと聞かれることがあるが、どの国もいろいろな思い出があり、答えるのが難しい。アジアの野性味や混沌が体感できるネパール、ラオス、インド、スリランカ、キルギス。仏教の聖地インドのビハール州、イスラームの青の聖地ウズベキスタン・サマルカンド。日本以上に日本が詰まっているバンコク。

ドイツミュンヘンで記憶が薄れるまで飲んだオクトーバーフェスト。4軒はしごして翌朝のフェリーに乗り遅れたトルコ・イスタンブール。食べて飲んで楽しいといえばシチリア島含む南イタリアに優るところはない。

中欧のボスニア・ヘルツェゴビナとセルビアの民族浄化的な激しい戦争や、アルバニアの狂信的な指導者による戦後の悲痛な歩みなど、現地に残る克明な歴史的事実を語る博物館に圧倒される。

トラブルもあった。その筆頭はタイ・アユタヤで野犬に噛まれたこと。スリランカでは広大な世界遺産の公園で視野が180度丸見えの中で突然強烈な便意が。。至近ではウィーン発ブダペスト行きの電車に乗るはずが、間違えてチェコに行ってしまった。。

こうした数々の旅の経験を通じて、若者のバックパッカー的な野生的な挑戦心、アニマルスピリットが蘇りつつある気がしている。広い世界を見渡して、逆に日本の良いところを見直したこともある。

比較的自由になる生活環境、アブダビという地理的利点がなければ、ここまで行くことが無かったかなと思いつつ、今や日本含む世界中どこにいようと、バックパック一つで飛び立てるフットワークの軽さは確かに俺の心と体にしっかりと刻み込まれた。「日本発、還暦バックパッカーが行く」も引き続きトライしていきたいね。