anezakimanのアブダビ日記

アラブ首長国連邦アブダビ首長国に駐在になりました。そこで出会ったことを綴ります。

日本への道

ここ数日でUAE出入国の状況が大きく変化している。まずアラブ首長国連邦(UAE)政府が発表したところによると、6月23日よりUAE国民並びにUAE在留資格者(居住ビザ所有の海外労働者)の国外への旅行を解禁するというアナウンスがあった。

俺はそれを聞いて狂喜乱舞、会社から一時帰国休暇を取得する前提でさっそくエティハド航空のWEBをチェックしてみた。7月以降アブダビと成田間に往復便が週に3便運航しているようで、予約を入れてみたら入った!

ただし政府公表では一部の国限定とのことであり日本が入っているかどうかはまだ公式には言われていない。また事前申請認可が必要だが、その辺りの手続きの詳細も発表されていない。出国日前48時間以内のPCR検査陰性も条件となっており、本当に帰れるかはどうかはまだ分からない。

そうこうしているうちに、ドバイ首長国政府が一昨日、ドバイ政府発行のUAE在留資格者は6月23日以降、ドバイ空港から出入国する場合、どこの国へも旅行可能、さらに7月7日からはどこの国からの旅行者も受け入れると発表した。UAE政府アナウンスでは、UAE帰国時に2週間、出発国によっては1週間の自宅待機の義務も、ドバイ居住者のドバイ空港着であればPCR検査が陰性であれば自宅待機は必要ないという。

経済への観光旅行者の依存度が高いドバイ首長国だけの独自のオープン政策のようで、UAE全体、もしくはアブダビ含む他の首長国からは冒頭のアナウンス以降は何も発表がない。ことほど左様に、この7首長国からなる連邦国家では政策や施策が首長国によって異なる。特にアブダビとドバイの2大首長国では競争心と連携が微妙に交差している。

普段はどちらかと言えば反目し合っている感じだが、いざとなれば同じアラブの紐帯として、2009年のドバイ金融危機時にアブダビが大規模な金融支援をしたように、強力な仲間となる。今回の経済危機でも、いざとなれば石油大国で大金持ちのアブダビが、観光やサービス中心の経済で大打撃を受けているドバイを支援するということが言われている。

一方ここ2週間は、アブダビ首長国は執拗にドバイ首長国からの人の移動を禁止している。他の首長国からアブダビ入りしたい場合には、アブダビ警察署が発行するパーミットが必要だが、ドバイ在住の弊社社員が会社のあるアブダビ入りを申請してもことごとく却下されている。さらに1週間の移動禁止措置の延期が昨日アナウンスされた(アブダビから出てドバイに行くのは解禁された)。

これもドバイ首長国での新型コロナ感染者が圧倒的に多く(この国は首長国毎の患者数は公表していない)、そうしたドバイ感染者の入国をできるだけ拒否しようとしているとか、アブダビ首長国居住者がドバイで遊んでウイルスをもらって帰ってくるのを恐れているとかと噂されている。加えて今回のドバイ独自の対外開放加速で、ますますアブダビはドバイに対する警戒心を強める可能性があるね。

何れにせよ、今のままだとドバイ空港から帰国することは無理だ。UAE政府、もしくはアブダビ首長国政府のご沙汰を待つしかない。日本への道はまだまだ遠く、予断を許さない。はあ。。