anezakimanのアブダビ日記

アラブ首長国連邦アブダビ首長国に駐在になりました。そこで出会ったことを綴ります。

コロナ”事件”

2021年7月が始まった。日本にとっては世界中が注目する東京オリンピック開催の月である。コロナパンデミック下でのオリンピック開催について、さまざまな苦労・苦難の道であり、いろいろと言われてきたが、ここまできたら是非とも安心安全で実行して欲しいものだ。頑張れニッポン!

当地アブダビ首長国では、数週間前までは7月から観光ビザの受け入れを解禁し、より規制を緩和して国をオープンにしていくとの情報もあったが、現実はその逆だった。日本でも報道されたが、世界でも極めて厳しい感染防止策が、アブダビ首長国政府から唐突に発表された。以下6月30日付け日経新聞。

アブダビ首長国、ワクチン未接種は公共スペース入り禁止

【アブダビ=岐部秀光】アラブ首長国連邦(UAE)を構成するアブダビ首長国は8月20日から、新型コロナウイルスのワクチンを接種していない場合は学校やショッピングモールなどの公共スペースに入ることを禁じると発表した。世界でも極めて厳しい感染防止策が導入できるのは、強力なリーダーが統治する権威主義体制が背景にある。

対象にはレストランやカフェ、ジム、博物館、テーマパーク、教育機関などが含まれるが生活必需品を扱うスーパーや薬局は除外する。事実上の「強制」で接種率を引き上げるねらいとみられる。

15歳以下の子供や妊婦、病気などでワクチンが接種できない場合は例外扱いになる。運用には、ワクチン接種や検査、接触追跡などに使われる公式アプリが用いられる見通し。

UAEはイスラエルとならび世界最速でワクチン接種を進めた国だ。アブダビでは「目標グループ」の9割以上で接種が終わったという。

観光業に多くを依存し、比較的ゆるやかな制限を導入したドバイ首長国と対照的に、アブダビは厳しい感染防止策を続ける。ドバイの居住者も150㌔㍍の距離の「隣国」アブダビへ入るには事前のPCR検査が求められる。

UAEの居住者のほとんどは出稼ぎなどの外国人だ。政府の指示にそむけば職や居住権を失いかねず、強引なルールにも人々は従いがちだ。

わざわざ実施を8月20日にしているのは、1か月半見てあげるから必ずワクチンを接種せよとのことであり、もはやワクチン打たずんば人にあらずといったところだね。。そして確かにこの国で我々のような出稼ぎ外国人は、それがどんなものであっても政府方針に逆らうすべはない。

UAE全体での毎日のコロナ新規患者数が2千人台と高原状態にあり、またアブダビにおいては工場や現場のみならず、事務所でも再び感染者が増加しているという噂があり、アブダビ当局としては再度徹底的な締め付けに入るということだろう。

そんななかで、個人的にもコロナ関連でちょっとした”事件”があった。ちょうど一週間前の夕方、居住地の周辺を散歩していた。いつもはマスクをして出て、居住地区内ではマスクを外し、スーパーなどの公共地区に出たらマスクをしていたのだが、たまたまその日はマスクを着け忘れたまま公共地区で散歩を続けていた。一人の中年男性にハローと声を掛けられ、無視してそのまま歩いていたが、再度呼び止められて近寄ってくる。

「俺はポリスだ。お前2分以上マスクしてなかったな。罰金だ。エミレーツIDを見せろ(写真撮られた)、携帯番号言え。3日以内に連絡が入り、2日以内に文句があれば抗議しろ。以上」

この間、30秒もなかった。警官が立ち去ったあと、その場に呆然と立ち尽くした。ポリスカーも周辺になかったし、中年男性も普通の格好をしていた。覆面警官によるチェックだったのだ。こんな郊外の居住地にまで来るとは。オーマイガー!罰金は AED 3,000、日本円で9万円である。金額も痛いが、周囲で聞いたことがないので、おそらくアブダビ在住日本人による初めての罰金ケースではないか。。

落ち込みつつ、まあこれも経験さと諦めつつ1週間たったが、今日現在何の沙汰もない。もしかしてUAEの寛容の精神の表れか。ちゃんと反省して今後はしっかりと従いますので、なにとぞ神のご加護を。。。