anezakimanのアブダビ日記

アラブ首長国連邦アブダビ首長国に駐在になりました。そこで出会ったことを綴ります。

ラマダーン到来

本日から Holy Month of Ramadan、聖なるラマダーン月が始まった。いや、厳密にいえば昨日の日没からだ。昨夕、ヤス島のレストランのオープンテラスでビールを飲んでいたら、日没前の18時過ぎにラマダンがもうすぐ始まって外では飲めないので、中で飲んでくれと店に言われたのだ。

ラマダーンは楽しみにしていた。何度か紹介しているハムダなおこさんの著書、「アラブからこんにちは」の下記の記述が興味深かったのだ。

  • ラマダーンとはイスラームで使うヒジュラ暦の九ヶ月目をいい、世界中に散らばるムスリムが、日の出前から日没まで、一切の食べ物を摂らない断食月。
  • なぜ神が断食を人間の義務としたのか。なぜそれを世界中のムスリムが千四百年間も変わらず続けているのか。なぜこうした修行を十五億もの人々が嬉々として受け入れ、精進し、毎年その期間が終わることを嘆くのか。その答えは簡単です。それは自分が幸福であることを教えてくれるからです。今日のご飯があること、眠る場所があること、自分のそばに家族がいること、家族と一緒に時を過ごせること、近所に自分を気に懸けてくれる人がいること、自分が貧しい人たちを援けられる立場であること、貧しい人たちに感謝されること、そして自分は家族とつながり、人とつながり、神ともつながっていること。そうしたささやかなことが人間の究極の幸福であると教えてくれるからです。
  • 人間という弱い存在が幸福を身に沁みて感じるためには、三十日間の長い期間が必要なのだと、改めて神の定めた義務の意味を知ります。一日を我慢することは誰にでも出来ます。しかし三十日となれば、生活全体を変える努力と心構えが必要です。食べない行為だけでなく、ラマダーン中は喧嘩をしない、大声を出さない、人に優しくする、喜捨に励むなど、多くの生活上のルールが増えます。それを家庭でも学校でも社会でも、人間の義務として繰り返し繰り返し教えています。

 というわけで、せっかくイスラームの国に駐在して、その国の歴史や文化に関心のある俺としては、生活全体を変える努力と心構えにトライしてみようと思っている。ただし無理はしない。ムスリムの方は、通常最初のお祈りの前に朝食を食べ、4度目のお祈りの後に夕食(イフタール)を食べる。そうすると今だと朝4時に朝食を食べてから夜7時まで、約15時間断食をしないといけない。

俺の場合は、朝ご飯を7時前後にしっかりと食べて(良き1日の前提だからね)、会社では食べ物は取らず(水は飲む)、家に帰ってから夕食、あるいは会食で食事を取る。家で晩御飯を一人で食べる時にはお酒は一切飲まない(これが一番キツそう)。ラマダーン期間中これに挑戦してみたい。

ラマダーン初日の本日は、この通り過ごせた。今日は比較的涼しく過ごしやすかったこと、外出訪問が2つあって会社にあまりいなかったこと、また家に仕事を持ち帰って夕食が遅くなったので、アルコールを飲む意欲があまりなかったことも功を奏したか。

晩御飯、イフタールではないけど多少豪勢にしようと思って、久しぶりにキムチ鍋にしてみた。13時間ほど何も食べずにいきなりキムチのような刺激の強い物を食べて良いのかなという気はしたけど、そろりそろりと体に入れて美味しく食べれた。

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明日から週末。ちょっとした遠出を計画しており、外に出たら一旦ラマダーンは無しではあります。