読書:道を拓く
最初は同僚からの紹介だった。数十年前からアブダビに住んでおられて、かのシェイク・ザイード元大統領にも謁見された方だという。初めてご一緒させていただいて飲んだのが半年ほど前。そこで母上の実家が俺の実家の隣町ということが分かり、さらに弟さんが俺と同じ業界に昔おられて、その当時接点があったことが判明し、お互い親近感を覚えた。
お歳は70歳代前半で、公式行事にはパリッと蝶ネクタイをしてこられるダンディーな紳士であり、何よりもいつもニコニコされていて親しみやすい方。そんな方と最近は異業種交流会やその他のおつきあいで接点が増えている。
そしてその方を主人公にして、中東で生きる日本ビジネスマン物語という副題で本が出ていることを最近知った。ドバイの紀伊国屋書店に探しにいったが無くて、アマゾンで唯一残っていた一冊を日本からの出張者にお願いして買ってきてもらった。それがこれである。
アブダビを拠点として40数年、中東を開拓してきた某重工メーカーご出身の辣腕ビジネスマンの半生が、中東政情の激変や中東ビジネスの要諦に触れながら描かれていて、大変興味深く読んた。そしてその筋の通った生き方に感動した。
こんな激動の人生を歩んでこられたご本人は、飄々とされていて、一緒にお酒を飲むと与太話にもお付き合いいだだいて、時間が経つのも忘れてしまうくらい楽しい方である。
本書は中東で頑張っているビジネスパーソンにお薦めしたい必読の一冊である。