anezakimanのアブダビ日記

アラブ首長国連邦アブダビ首長国に駐在になりました。そこで出会ったことを綴ります。

シチリアの余韻

素晴らしきシチリアの地に感化されて、この島に関連した映画を見まくっている。まずはシチリアを舞台にした1988年公開のイタリア映画。

ニュー・シネマ・パラダイス の映画情報 - Yahoo!映画

『地球の歩き方』の読者の声のなかで、この映画の舞台であるジャンカルド村を見たくて、パレルモから南へ車で2時間ほどのパラッツォ・アドリアーノを訪れたとの記事があった。そこで初めてこの名画の舞台がシチリアであることを知った。

この名画の存在は知っていたが観たことはなく、今回初めてアマゾン・プライムで鑑賞した。素朴なシチリアの田舎の村を舞台として、少年と映画撮影技師のおじさんとの交流が胸にしみる。

次は2019年公開の実話ベースのマフィア映画。

シチリアーノ 裏切りの美学(字幕版)

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  • ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ
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1980年代初頭、マフィア間の抗争が激化の一途をたどるシチリア。そんな最中、パレルモ派の大物マフィア、ブシェッタと、マフィア撲滅に執念を燃やす判事ファルコーネのやりとりが映画のテーマの一つとなっている。

パレルモでガイドをしてくれた Barbaraさんによれば、彼女が10代の頃(ちょうどこの映画の時代)、パレルモ市街地はいつどこででも人が殺されたり暴力を受けたりで、親から絶対に行くなと言われたとのこと。その流れを変えたのがまさにファルコーネ判事であり、シチリアで最も尊敬されている一人だとのこと。

アグリジェントで訪れたギリシャ時代の遺跡地で、シチリア発展に貢献のあった方たちの墓誌があった。

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そのなかにファルコーネ判事のものもあるよとガイドの Ireneさんに言われて撮ったのがこれ。

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最期はマフィアに爆殺されたファルコーネ判事だったが、彼の残した言葉、"Men pass away, ideas remain"(人は死んでも考えは残る)が心にしみる。

そしてマフィア映画と言えば、何と言ってもこれ。

こちらも超有名な映画であるが、俺はまだ観たことはなかった。今回の旅を契機として、1本平均3時間超のフランシス・フォード・コッポラ監督の名画シリーズ3本、週末ぶっ続けで初めて見た。

中心舞台はアメリカ・ニューヨークであるが、主人公ドン・コルレオーネの出生地がパレルモ南部のコルレオーネである。主人公が故郷を訪れたり、回想シーンなどでは自然豊かなこのシチリアの地が舞台となる。そしてあの有名なニーノ・ロータ作曲の「愛のテーマ」は、シチリアが舞台の時だけ演奏されることに気が付いた。

凄惨な殺戮場面が続出するマフィアファミリーの一大叙事詩であるが、シチリア人の家族の絆、身内の結束の固さもテーマの一つだと感じ入った。シリーズ第三話、最終章の最後の場面では人一倍家族想いの主人公、マイケル・コルレオーネの眼前で娘が殺され、マイケルが泣き叫ぶ重要なシーンが出てくる。この舞台となったのがパレルモのマッシモ劇場で、俺も今回の旅でちゃんと訪問していました。

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こうして、まだまだシチリアの旅の余韻に浸っております(笑)。