anezakimanのアブダビ日記

アラブ首長国連邦アブダビ首長国に駐在になりました。そこで出会ったことを綴ります。

安静中

本日で8月が終わり、2018年の異国での盛夏も終盤を迎えつつある。日本に帰国して日本の暑い夏を体感して、なるほどアブダビの夏のほうが日本より過ごしやすいことを実感した。

アブダビでは家でも事務所でもお店でも空調が完璧に効いていて快適、むしろ寒いくらい。移動も車であり、外が50℃近い暑さでも、めったに外に出ない。もちろん弊社のような現場を持つ会社は違うが、俺自身はこの季節、正直あまり現場には出ない。日本は電車通勤で駅まで歩くし、駅で待っていても地下鉄以外は暑い。会社辺りはいわゆるヒートアイランド現象で暑苦しい。家の中でも我が家は貧乏性なのか、なるべく冷房をつけないようにしている。まあアブダビは国全体が熱帯仕様ということではある。

さて、今週はまさに安静週間。会社では多少バタバタしたが、家では毎朝のラジオ体操の励行、各種数値の確認・記録(血圧は良化の方向)、病院で指示された通り薬をしっかり飲んで、早寝早起き、3食ともなるべく栄養のあるものを食べ(日本のお土産の鰻や持ってきたおでんパックが活躍)、お酒は月曜日にビールとワイン1杯ずつ飲んだ以外は完全な断酒。

心のほうも、マインドフルネスの本からその概念を学び、慈悲の瞑想、呼吸瞑想、ラベリングなどを実践して、何となく心の平安が得られつつある気がしている。ここまで健康 Revival Planに従って実行できており、顔の腫れも小さくなってきて、かゆみも薄れてきたようだ。

ここで安心せずに、この週末もしっかり休養して禁酒する。本日は外に出ずに溜まっていた新聞、雑誌に目を通し、キッチンを少し片付け、洗濯をして、読書しつつベッドでうとうと。

来週は来客が立て込んでおり、夜もかなり入っている。できれば週の前半で治療に目処をつけて、ある程度の社交生活への復帰を図りたいものである。

病院に行く

日本から帰国後、顔の右半分の部分、具体的には頭皮、ひたい、眉毛、まぶた、目の横に小さな腫れものが出始めた。そんなに目立たないし痛みはないが、少し痒みはある。体調全般的には悪いわけではないが、ネットでこうした症状を調べてみると、結構ヤバそうな病名も出てくる。気になったので、本日たまたま会議がなかったので、急遽アポを取ってアブダビ市内の総合病院に出かけた。

顔半分の部分だけというのが気になり、皮膚科ではなくまず内科に行ってみた。内科のアラビック系おじさんドクターはすぐにこれは皮膚科だと言って、そのまま同じ病院にある皮膚科に行くように指示された。

次に行った皮膚科のインド人女医は俺の腫れた部分を診て、これは Herpes Zoster、昔小さい時にポークやチキンからの病気対策用に予防注射打ったでしょ、その際のウィルスはずっと残っていて体が弱ってくると出てくるの、薬を処方するので様子見ましょう、本当は発症から2日以内に薬を服用すると効果的なんだけど、まあ心配することないわ、ただし治るまで運動は避けて安静に、外で紫外線浴びるのもよくない、アルコールは1週間か10日は控えた方が良いわね、とのご診断。

さらに目の近くに腫れがあるからと、念のため眼科でも診てもらうようアドバイス。3番目に向かった眼科のアラビック系穏やかドクターは、目の表面は確かに治療が必要、ただし眼の中は問題ないので心配なし、薬で治るよと。

最後に皮膚科と眼科で処方された薬(全部で4種類)をもらいに薬局に行ってようやく終了。この間待ち時間入れておよそ3時間。やれやれであった。

途中で辞書で Herpes Zoster を調べたら、帯状疱疹(たいじょうほうしん)とのこと。さらにこれをググる。以下はWikipediaからの抜粋。

一度水痘に罹患すると、たとえ治癒しても水痘のウイルスが神経節中に潜伏している状態(潜伏感染)が続く(この状態自体に害はない)。ストレスや心労、老齢、抗がん剤治療・日光等の刺激などにより免疫力が低下すると、ウイルスが神経細胞を取り囲んでいるサテライト細胞の中で再度増殖する(再活性化する)ことがある。この増殖によって生じるのが帯状疱疹である。ウイルス再活性化のメカニズムは不明。

60歳代を中心に50歳代〜70歳代に多くみられるが、過労やストレスが引き金で若い人に発症することもある。年齢が若いから軽症ですむとはかぎらず、その患者の抵抗力により重症度が決定される。初期に軽症であっても、無理をすることでいくらでも重症化する疾患である。

抗ウイルス薬が有効で、点滴や内服による治療により治癒までの期間短縮が期待できる。ただし、抗ウイルス薬は水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖抑制効果しかなく、病初期に投与しないと効果が期待できない。よって、病初期以外は症状を緩和する治療が主となる。同時に安静にし体力を回復することも大切である。適切な治療が行われれば、早ければ1週間ほどで水疱は痂皮化し治癒する。

帯状疱疹になる人はストレスや疲労により免疫力が下がっている状態なので、慢性的に不規則な生活を送る事や、過度の疲労、心労を要する作業を続ける事は控えた方が良い。規則正しい生活と、十分な栄養の摂取、心の安静が必要である。

医師から聞いた簡単ボンヤリな説明(俺の英語聞き取りの問題もあるが)から、はるかに理解が深まった。きちんと治療さえすれば治るのはホッとしたが、ショックなのは免疫力の低下ということ。適度に運動し、食事も野菜中心に比較的規則正しく食べており、体調も悪いわけではない。一方で8月に入ってからは日本帰国時での環境・気候の違い(特に北海道では30℃以上の気温差)、やや暴飲暴食傾向、さらにこちらではこの時期でも1−2時間の散歩を週2日は継続しており日光浴びすぎかも。酒もほぼ毎日飲んでいるし。。

もう一つショックだったのは、どこの診療科でも最初に血圧を測るが、いずれも最高血圧140-150で、高血圧と言われたことだ。家で測っても同じ傾向にあり、これも自炊が醤油や塩の濃い味付けが多いこと、カップラーメン好きでよく食べており、場合によってはスープまで全部飲むことなど、身に覚えがあると言わざるを得ない。

それでも今朝思い立って病院に行ったことで、いろいろなことが分かったし、早期に立て直し可能とポジティブに考えたい。神様の思し召しだと思って感謝しつつ、下記健康 Revival Plan を立案、即日実行する。

  • 外での散歩、Yasサイクリングは当面延期。その代わり、家でラジオ体操とジムに行っての軽い筋トレを始める。
  • 自炊は高血圧に効果的と言われるもの(野菜、果物、豆腐や納豆)をメインに使う。醤油、塩をできるだけ控える。
  • 水を多めに取り、毎朝食後の緑茶、会社ではコーヒー(これまで紅茶)の摂取。
  • お酒はいったん1週間は禁酒(これが一番辛そう)。
  • 7時間睡眠、規則正しい生活
  • ストレスレス化。家では仕事しない、パソコンも持ち帰らない、iPhoneの自動通知設定全て無しに、マインドフルネスの本から瞑想法を学んで心の安息。
  • 毎朝、体重、血圧を測って記録する。

いろいろなことが分かったという意味では、病院で使われる英単語を本日1日でいくつか覚えた。内科(Internal Medicine)、皮膚科(dermatology)、眼科(ophthalmology)、症状(symptom)、鈍痛(dull pain)、痒み(Ichy)、腫れ(swelling)、湿疹(eczema)、などなど。

改めて健康の大切さを認識させられた1日であった。1日1日、健康で元気な生活を送りたいものだ。

ニッポン滞在記その4:本を読む

行き帰りの機内、旅行中、あるいは家で、いろいろな本を読んだ。アブダビにいるときは、ビジネス関係か中東関係の本しか読む機会がないので、こうした乱読は久しぶりであった。

同郷の偉人、大倉財閥の創設者、大倉喜八郎翁の伝記的小説、「怪物商人』を田舎に帰る新幹線で読む。

怪物商人 (PHP文芸文庫)

怪物商人 (PHP文芸文庫)

 

このスケールの大きな人物が、閉鎖的な地方都市を出て、幕末の江戸で一旗揚げるべく奮闘活躍する姿に共感を覚えた。

奥田英朗氏の家族や職場の人間模様を描いた一連の著作が好きである。下記最新本を本屋で見つけ、さっそく読んだ。相変わらず読後のホッコリ感が嬉しい。

我が家のヒミツ (集英社文庫)

我が家のヒミツ (集英社文庫)

 

まるで昨年から続出している大手企業の品質問題を予見していたような下記著作を、同じサラリーマンとして、臨場感と切なさを持って読んだ。

七つの会議 (集英社文庫)

七つの会議 (集英社文庫)

 

セブンイレブンのPB商品、セブンプレミアム、セブンゴールドが好きである。日本から帰ってくるときは、必ず何品か保冷バッグに入れて持ち帰る。そうしたこだわりのPBはじめ、セブンイレブンの創設者であり、セブンホールディングス躍進の立役者の著作を読む。セブンは B to C の事業形態であり、弊社は B to B という違いはあるが、 本質的なメッセージが心に響く。

わがセブン秘録

わがセブン秘録

 
  • いままでにない状態から新しいものを生み出すには、「未来を起点にした発想」が求められる。そして一歩先の未来像を描くときには、常にお客様を起点にして「お客様の立場で」考えなければならない。
  • 「お客様のために」と考える発想の問題点は、お客様のためにと言いながら、自分たちのできる範囲内、あるいはいまある制度やシステムの範囲内でやっているにすぎないケースが多いということ。
  • 製造や物流の仕組みの範囲内で商品特性の最適化を図るのではなく、お客様のニーズをすべての起点にし、そこから製造や物流のあり方を考え、新たな仕組みを実現する。
  • いまの自分は売り手の都合で考えていないかどうか、常に問い続ける。自分が買い手になったときの心理や感覚を忘れていないか、自らに問いかける。大切なのはそれを習慣として身につけること。
  • 「常に自分自身を客観的に見る」。客観的に見るとは、「もう一人の自分」から自分を見ること。挑戦する自分と保守的な自分の間で揺れ動いたら、「もう一人の自分」から客観的に見てみる。
  • いかに新しい仮説を生み出せるか、仮説力がよりいっそう問われることになる。つまり。発想する力です。
  • 目的と手段が本末転倒になり、最大の問題は、それが本末転倒になっていることに気がつかなくなってしまうこと。こうした本末転倒を避けるためには、自分は何を目指すのかという根本的な命題を常に問い続けること。
  • 自分の仕事の本質は何か、「未来を起点にした発想」を持ち、「お客様の立場」で考え抜く。目的が明確になれば、それを達成する手段として、いろいろな知恵や新しいアイデアも浮かぶはず。それが、本当の意味で仕事をするということ。

上記の「常に自分自身を客観的に見る」にも関連しているが、前から関心があったマインドフルネスの本を本屋で見つけて、読み始めている。

マインドフルネスの教科書 この1冊ですべてがわかる! (スピリチュアルの教科書シリーズ)

マインドフルネスの教科書 この1冊ですべてがわかる! (スピリチュアルの教科書シリーズ)

 

さらに上記の発想する力をどう具体的に養っていけば良いのかという観点で本を探していたら、ぴったりの本が。我が敬愛する野中郁次郎先生の著作である。こちらは買って持ってきたので、これから読むことになるが、楽しみ楽しみ。

構想力の方法論

構想力の方法論

 

 

こうして、ニッポン滞在中の旅行やイベント、日常、読書を綴ってきた。カラダとココロとアタマがリフレッシュされ、新たな刺激、気づきが得られた、たいへん有意義なニッポンの夏休みでありました。不在中、ご迷惑おかけした同僚、関係各位にお詫びと感謝申し上げます。明日からしっかりと働かせていただく所存であります。

ニッポン滞在記その3:愛犬と過ごす

さて、これまで旅行やお出かけのことを記して来たが、もちろん日本滞在中はこうした非日常ではなく、家での日常生活の時間の方が多い。そして実はわざわざ遠出しなくとも、家の周辺は木や森や山で囲まれた自然がいっぱいである。

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そんな自然の中を、愛犬と散歩することが実は俺の最大の楽しみであった。家にいた日々のうち、二日酔い気味でパスした朝の散歩1回を除いては、朝夕の1時間半ほどの散歩は欠かさなかった。

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そんな朝の散歩中、懐かしの夏休みのラジオ体操が家の近くの公園で行われていた。比較的コミュニティー活動がしっかりしているこの辺りでは、お年寄りと小学生が合わせて50人ほど集まって、朝の体操に汗をかいていた。俺も何回か参加させていただく。

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また、驚いたことに散歩中に二度も蛇と出くわした。1回目は閑静な住宅街で。

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 2回目は山沿いの道路で。

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この市に移り住んでから13年になるが、これまで蛇に出会ったのは3回である。もはやこの辺りの蛇も絶滅危惧種と思われたが、わずか10日弱で2回も蛇に会えたのは、この夏の異常気象で蛇が大量に生息し始めたのか、はたまた何かの吉兆か。

とまあ、愛犬との日常で癒された俺であった。

ニッポン滞在記その2:原風景への旅

今回、富良野以外にちょっとお出かけしたところが2ヶ所ある。一つは俺の実家の田舎の田園地帯、もう一つは埼玉県川越市の小江戸といわれている蔵造りの古い街並みである。前者は農耕社会ニッポンの、そしてそこで育った俺自身の原風景であり、後者は江戸時代に発展したニッポン商店街の原風景である。この2つの小旅行を記しておく。

東京駅から新幹線と在来線を乗り継いで3時間ほどの我が田舎は、相変わらず平和で、どこまでも田んぼが広がっている。大都市と砂漠の地に染まってきている俺にとっては、今や懐かしくて愛おしい情景だ。

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この夏は高温、少雨で、我が実家も米の収穫具合を心配していた。

 

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1泊2日の慌ただしい帰省だったが、自作しているコシヒカリのご飯、我が家のごちそうである郷土料理のノッペ、家の畑で取れたアスパラ、キュウリ、トマトなどの新鮮な野菜をしっかりといただき、心も体も満たされた。日本の農業はマクロ的にいろいろ課題があり、またミクロ的にも実家の後継者問題が気にはなるが、一旦それは忘れてのびのび過ごせた。

都内に所用があり、出かけたついでに、前から行ってみたかった小江戸と呼ばれる川越を訪れた。江戸時代に物流の拠点として栄え、今でも蔵造りの街並みと江戸時代から続く老舗の商店街で有名なところだ。東武東上線の川越駅からバスで5分ほどで、1キロほど続く蔵通りに着く。気温30℃を超える炎天下ながら、夏休み中もあってか観光客、地元の人たちで賑わっている。

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着物姿の人も多く、街に自然に溶け込んでいる。

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一つひとつのお店は、漬物屋、駄菓子屋、地元民芸店、骨董品、伝統的な醤油やゴマのお店、鰻やうどんなどのレストラン、食べ歩き向け食材店など、多彩で個性的。フラッと寄って眺めているだけでも楽しい。俺はアブダビでの料理の腕前向上を期し、美味しそうな醤油とゴマを買う。

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散策に疲れてお腹が減ってきたので、何軒かあった鰻屋の一つに入る。思い切ってうな重の松を頼むと、これから調理しますと元気いっぱいの鰻さんを見せてくれた。 

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そしてこのように。鰻さんの元気を有り難く、とても美味しくいただきました。

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この街のカスタマーフレンドリーなことには、街歩き用のビール(クラフトビールのCOEDO)を飲みながら自由にお店も入れて、漬物屋さんでは試食用の漬物をビールのつまみにどうぞと言ってくれたりする。俺も鰻屋でのビールに加え、街歩きでもビールを飲んでその恩恵にあずかった。

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食事も含めて3時間ほど、ゆるゆると歩き食べて過ごした。古くて情緒ある街並み、多彩で個性的な商店街、そしてお客様を大切にする街やお店の人たち、これらが散策に程よいエリアに固まっていて、歴史的・伝統的なニッポンの商業センス、おもてなしを感じることができた。

ここは池袋駅から快特で30分の地であり、簡単に短時間で江戸やニッポンの文化、香りを味わえるという意味では、海外の人をご案内したい場所の一つであり、通訳案内士的意欲を掻き立てられるステキなところであった。

アブダビの日常では忘れかけているニッポンの原風景を味わえた、気分の良いお出かけとなった。

ニッポン滞在記その1:富良野、そして「北の国から」

夏休みを取っていて、20日以上振りの更新だ。8月8日の晩にアブダビを発って日本に帰国、昨日23日夜中に帰ってきたので、15日間日本にいたことになる。この間、実質1日だけ会社に出社したが、あとはずっとフリー。いやー本当にのんびりリラックスできた日々であった。

ニッポンは素晴らしい、amazing、marvelous だ。これからニッポンでの滞在中の出来事を何回かに分けてアップしたい。まずは今回の夏休みの目玉、家族との3泊4日の北海道富良野旅行。

夏休みの過ごし方を家族と相談した際、俺がこだわったのは自然だ。砂漠の地に暮らしていると大自然が恋しい(もちろん砂漠も大自然ではあるが)。ビーチでのんびりという声もあったが、結局俺の提案した北海道富良野の自然を楽しむということになった。4日間のうち、前半2.5日はずっと雨、3日目の午後は曇り時々雨、この間気温は10℃台前半と凍えるような寒さ。それでも4日目は快晴となり、冷涼な北海道の天候の中で自然を楽しむことができた。以下富良野周辺。

f:id:anezakimanAD:20180824165110j:imagef:id:anezakimanAD:20180824165136j:imagef:id:anezakimanAD:20180824165601j:image美瑛の町からほど近い場所に、最近パワースポットとして人気となっている人口湖があって寄ってみる。一本道で大混雑していて時間が掛かったが、なんとかたどり着く。名前そのままの「青い池」だ。確かに幻想的な風景。

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到着した次の日は、富良野から車で1時間半の旭山動物園に行った。日本最北の動物園でありながら、行動展示というコンセプトを打ち出し、日本で最も人気のある動物園だ。当日は肌寒い雨天にもかかわらず、アジア系の観光客含めて大勢の人が訪れていた。我々は5年前にも訪れているが、改めてダイナミックな動物の動きを楽しんだ。

目の前まで迫ってくる堂々たる皇帝ペンギン。

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おおかみの森。こんな風に近くで見ると迫力満点。

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旭川市営動物園であり、一時は財政難から廃園必至といわれた状況から、展示の仕方に知恵と工夫をこらし、一つひとつ変えていった物語は当時本や映画にもなった。ニッポンのイノベーションのひとつのカタチとして、俺も感銘を受けた。相変わらず活気のある様子で嬉しいものだ。

 北海道の味覚としては、こっちで食べようと決めていたのがお寿司とジンギスカン。旭川で地元一番人気の「回転寿しトリトン」という回転寿しに行く。これがなんと2時間待ちの大混雑。それでもせっかくだがらと本を読みながら待った。これが鮮度の良さ、種類の豊富さ、そして味もコスパも絶品。待った甲斐がありました。

ジンギスカンは、中富良野町の「ひつじの丘」というひつじ牧場隣接のレストラン。こちらもミシュランに紹介されている有名店で1時間待ち。臭みがまったくなく、こちらの方も絶妙なお味であった。それにしてもこの時期の北海道、有名な店はどこも大変な混雑振りだ。

美瑛・富良野地区で売り出し中新名物のカレーうどんとオムカレーを食べる。後者は新鮮な地元牛乳、野菜、富良野メロン付きで900円。どちらも美味しくいただく。

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これらの地域の新鮮な食材を活かした地元振興への熱意は素晴らしい。

さて、富良野といえば1981年から放映されたドラマ、「北の国から」の地。富良野市街地から20キロほど行ったドラマの舞台である麓郷に行く。当時の家やロケ地が3ヶ所ほど観光地となっている。

最初に移り住んだ家。

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2番目に住んだ丸太の家。 

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 すべて廃材を使った「拾ってきた家」。

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これらの情景と、うっすらと覚えているドラマの記憶に触発され、「北の国から」をもう一度見たくなった。北海道から帰ってきてから家近くのTSUTAYAに行ってみると、ドラマ編のDVD12巻(全24話)が置いてあり、全部借りて家で観る。父と子供たちの触れ合い、父と息子の交流・反発、家族の優しさ・葛藤、男女の愛情・別れ、人々の助け合い・思いやり、大都会と厳しい自然に囲まれた地方の違いや矛盾といった幾重にも織りなす重厚な人間模様が、富良野の大自然の厳しさ・美しさを背景にして描かれている。改めてこの壮大な人間ドラマに魅了され、2日間ぶっ通しで観つづける。今では、さだまさしの「🎵あーあー、あああああーあ」のくだりを聴くだけで涙腺が緩む。

大自然のどうしようもない厳しさ、それに立ち向かうことなく折り合いをつけて適合していこうとする志向、神を信じたり自然の様々な現象に神を感じる精神、家族や人同士の尊敬や助け合いの気持ちなど、唐突かもしれないが、ここにはイスラームの精神とも符合する一面があると感じたりしている。

というわけで、ニッポン北端の地を舞台とした大自然、知恵、食、人間ドラマを満喫したのであった。 

ベイルート散策記

前回の旅行記の続き。日帰りツアーに行った日以外の実質1日ほど、歴史と文化とモダンさが混在する魅力的な首都ベイルートの街を歩きまわった。

コーニッシュと呼ばれている気持ちの良い散歩道。

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地中海で遊ぶベイルートの若者たち。

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ヨットハーバー沿いの野外レストランに集って夕食を楽しむ人たち。

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俺もチャイニーズレストランでちょっと一杯。普通のレストランでのアルコールが可能。

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ライトアップされたモスクが美しい。

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近代的モスクの手前にローマ帝国の遺跡。

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この辺りはダウンタウン地区と呼ばれていて、モスク、ギリシャ正教教会、近代的スーク(巨大モール)が密集。

少し下ったところにレバノン国立博物館がありこれが出色。以下、キワモノ系で、兵隊人形(これで戦争ゲームでもしてたのかな)、棺、数千年前の歯。

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肥沃な三日月地帯マップ、分かりやすい。

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最後に、美味しかったレバニーゼ料理。

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この街が二度と戦火の災いとなりませんように。中東のパリよ、永遠なれ!