国際防衛展示会に参加する
アブダビやドバイは世界有数の国際的展示会開催国であるが、最近はコロナ禍ですべてがバーチャルになっていた。俺の関連業界で言えば、ADIPECというアブダビ国際石油展示会は石油ガス産業の一大イベントであるが、至近のものはオンラインのみの開催であった。そうした中、IDEX (International Defence Exhibition)という国際防衛展示会がリアルでアブダビで開催されるという。これは武器フェスともいわれる世界の兵器産業の産業見本市であり、仕事半分、興味半分で参加してみた。
今どきのリアル展示会であり、入場者は24時間以内のPCR検査陰性証明が必須であった。参加登録者はアブダビ市内のいくつかのホテルで無料で検査が受けられるのだが、俺の登録は遅れていて前日になっても連絡が来ない。検査結果は早くても8時間後だから、入場の前日に受けておかないと間に合わない。登録が遅れていることを検査窓口で説明して登録証明無しでPCRはともかくも受けれて、登録証明は当日朝に来るといったドタバタ劇となったが、何とか入場できた。
会場内ではエミラーティと軍人姿が目立つ。
当日は、当地の敏腕商社マンW氏について、彼の会社が代理店をしている会社に寄りつつ、いろいろな兵器を見て回る。
熱心に商談中のW氏。
印象的だったのは、さっそくイスラエルのブースが。展示は何もされてなかったが商談ルーム風の個室がちょっと不気味。。
話題のF35の模型がロッキード・マーチン社のブースに。
いろいろな武器、兵器巡り。
AI搭載の兵器だとか。
中国製のドローン兵器。
野外にも展示スペース。
こうして久しぶりにリアルの展示会を見て回った。やはり生は良いですな。
ニッポン愛国者月間
2月11日は日本の建国記念の日である。今年は神武天皇が即位された紀元前660年から数えて皇紀2681年。世界中を見渡しても2千年を超えて万世一系の歴史を持つ国は日本しかいない。この国、アラブ首長国連邦は今年が建国50周年を迎えたばかりだ。しかし両国には強いつながりがあり、この国の最大級の会社が当日夜にお祝いのメッセージを発してくれた。実にめでたく、悦ばしく、そして有難いことである。
我が大和撫子の皆さま@国営石油会社本社ビル前。
2月23日は第126代天皇徳仁の誕生日である。令和になってから2度目の祝日であり、昨年はアブダビ含む世界中の日本国在外公館が各地の要人を招いてお祝いパーティーを実施した。今年はあいにくの新型コロナ禍の中、それもままならない。我がアブダビ愛国者メンバーは、僭越ながら23日に独自に参集して、日本国家元首のお誕生日パーティーをさせていただいた。
そして2月26日。こちらは昭和の日本の歴史の転換点となった二・二六事件の日である。二・二六事件とは直接関係ないけど(笑)、アブダビのおける日本食レストラン・クライシス、すなわち TOKI の一時的閉鎖と、MATSU の日本人シェフ消滅という危機的状況を憂い、前日の25日にMATSUの視察に赴いた。確かに唯一の日本人シェフT氏は退職済みであったが、MATSUはMATSUであった。美味しい!
最近はエミラーティにも人気。
ちゃんと端午の節句も祝っている。美味しい和食、日本の伝統芸能を堅持している MATSUには、これからも頑張って欲しいものだ。
というわけで、2月という月は日本の歴史的政治的文化的にクルーシャルな月であり、特に海外にいる愛国的日本人は、ニッポン愛国者月間と名付けて改めて日本のことに想いを寄せる月として提唱したい。ただの日本恋しさでの我田引水かもね。。
体育活動全開
日本から戻って1か月弱、リストバンド外れて2週間ほど経った。そろそろコロナ禍でのニューノーマルを見据えて、俺のアブダビにおけるこれからのプライベート日常生活の確立、充実を考えたい。
コロナとの闘いは、全世界的にも、この国においても、少なくとも今年いっぱいは続くだろう。ウィズコロナに関して、この国での当座のノーマルは何となく見えてきた気がする。徹底した検査を継続しつつ、ワクチンを全国民に受けさせること、この飽くなき繰り返しによる、早期の経済ダメージの克服だろう。何しろ10月にはドバイ万博も控えている。
至近ではアブダビ首長国においては、全企業に従業員の会社費用によるPCR検査の毎週の実施を義務付けた。例外はワクチンを2度接種済みの従業員のみ。明らかにワクチン接種を加速させるためだ。弊社でも1回しかワクチン接種していないもの(俺もそう)、1回も受けてないもの、合わせて数十人いるため、2日前に業者を手配して会社で一斉にPCR検査を実施した。
そうして検査、ワクチン接種を加速しつつ、現時点では飲食、娯楽施設の入場数制限はしているものの、モール、スーパー、レストランはほぼ正常通り営業している。外出制限もまったく無い。おそらく欧米や日本よりも、外食したり、施設で楽しんだり体を動かしてストレス解消しやすい環境にあると思われる。
こうした状況下、俺の今年のプライベート生活の柱の一つは、体をとことん動かして煩悩を克服し、同時にコロナに負けない体力と免疫力強化をひたすら追求すること。思えばアブダビ赴任後しばらくは散歩、サイクリング、カヤックを一人で無心でやっていた。これらを再び日常生活のルーティーンとして取り組むことにした。これまでも似たような活動はしていたが、どちらかと言えばコロナ禍での精神面でのストレス解消のための社交的な側面が強かった。これからは原点に立ち返って、俺自身が一個人として主体的に心と体を鍛えたい。
さっそくこの週末は体育活動全開となった。朝夕の散歩はもちろん、
サイクリングはわざわざ砂漠の Al Wathba Cycyle Track に出かけていって、最長30キロのコースを1時間20分で走破。
そして久しぶりに Eastern Mangrove でのカヤックに出かける。
ここから Al Reem島への海上道路(橋)が建設中。その真下を通る。
この時期の午前中の気温は25℃前後、微風で気持ち良い。鳥のさえずりが耳に心地よい。
こんな鳥がいたり、
カメも泳いでいたりする。
というわけで、これからは体育会系で頑張ります。
アブダビ自転車部、空を飛ぶ
この国が探査機を火星に飛ばしたことに刺激されたわけではないが、我々も空を飛ぶことにした。部員のIさんの提案で、アブダビ市内コーニッシュの海岸でやっているパラセーリングにトライすることになったのだ。
休日のこの日、朝方は相変わらずの濃霧状態だったが、10時過ぎには雲は残るものの青空が広がった。
手続きを済ませて、船に向かう自転車部の精鋭たち。
このボートに乗り込み、いざ出航。
まずは近隣の海を15分ほど回る。ここでなんとイルカに遭遇。
あいにくシャッターチャンスを逃し、写真には写ってないが、部員全員が小型のバンドウイルカ数匹が海面にちらちら姿を出すのを確認した。
そうしていよいよ空へ。二人一組で順にボートから離陸して空中へ。
高度を上げて、ボートがあっという間に小さくなる。
そこは下界と違って風も音も無い、おだやかな空間であった。
10分ほどの空中散策といった感じで、空からの風景を見ながらのんびりと歓談して過ごす。確かに高さは感じるが、静かなせいか、怖さは感じない。
全員無事にアブダビ海上冒険飛行を終えて、満足感に浸る皆さん。ちなみに一人料金 AED 150はイルカも見れたこともあって、お得感たっぷりであった。
そのあとは、同じコーニッシュの海岸沿いのレストランでランチをまったりと楽しむ。
とても素敵な休日を過ごしたのでありました。
火星、コロナ、ワクチン
本日夜、日本の種子島から昨年7月に飛び立ったUAEの火星探査機、HOPE(希望、アラビア語でアマル)が7か月の宇宙飛行の末、火星の軌道突入に成功した。これまで火星の軌道以内に入った国は米国、中国、インド、ロシアといった大国だけ。他の国も含めて幾度も挑戦してきたが、成功率は半分以下だという。この偉業を、直近一年はコロナ禍であったにも係わらず、火星ミッション計画発足からわずか6年でこの小さな国が成し遂げた。
Mission accomplished ということで、この国の指導者をはじめ、UAE国民、そして我々のようにこの国にお世話になっているエクスパッツにとっても、おめでたいことである。
やると決めたら科学的・合理的・効率的に方法論を探求して、時間軸を設定してやってしまうところが、このアラブ首長国連邦の凄いところだと改めて感じる。
新型コロナパンデミック対策については、この国も足元は苦戦気味だ。下記はUAE政府の昨日の公表数字である(括弧内は日本の本日公表の数字)。
- 感染者総数 332,603人(日本 408,272人)
- 至近1日の新規患者 3,310人(日本 1,569人)
- 死者 947人 (日本 6,605人)
UAEの人口は日本の8%くらいなので、人口比ではUAEの数は圧倒的に多く、特に連日大量のPCRもしくはDPI検査を継続していることもあり(ここ数日の検査数は16万件)、1日当たりの新規患者が3千人台の高原状態が続いている。
何度か書いてきたように、この国は海外労働者が人口の8割を占め、その労働者のかなりが建設工事従事者などの3密生活者であり、この層を中心として徹底した検査、隔離、監視を行ってきた。加えて厳しい規制と罰金、さらに海外からの帰国者を監視するためのリストバンド装着義務などの強権的施策を実施してきた結果、一時期落ち着いていた。
しかし海外からのヒトやカネに頼るドバイがいち早く旅行者に国を開放し、海外から人が大勢おしかけたようだ。噂だとドバイの患者数が急増、さらにアブダビもドバイからの入国に厳しい規制をかけているにも係わらず、漸増しているようだ。結果として国全体として上記の新規患者高原状態が続いている。
このため、各種施設への入場人数制限強化や営業閉鎖を最近復活させた。
この辺りは状況を見ながら果断に迅速に判断、徹底するスタンスは相変わらずだ。
そしてコロナワクチン接種。いち早く中国シノファーム製不活化ワクチンを対象に、大規模治験フェーズ3を実施し、昨年9月に医療従事者等の最前線ワーカーを対象に緊急認可し、国全体での集団免疫を目指していろいろなインセンティブを付けながら(例えばワクチン接種して一定の条件を満たせば自主隔離を免除等)ワクチン接種を加速してきた。ワクチンの種類はシノファーム以外にドバイではファイザー製も承認、輸入しはじめたが、マジョリティーは中国製のようだ。
昨日の地元紙によれば、ワクチン接種実績は下記であり、国別ではイスラエルと双肩をなすコロナワクチン先進国であろう。
- トータル接種回数 440万回
- 昨日1日の接種実績 99,781回
- 人口100人当たりの接種数 44回
そして俺も本日1回目のワクチンを接種してきた。高齢者という扱いのおかげで(苦笑)、予約なし、長蛇の列にも並ばずに、合計1時間ほどで受け付けから接種完了までスムーズに終了した。
20日後に2回目を受けて完了である。日本国政府としては中国製ワクチンは認可しておらず、また副作用を気にする人もいるが、周りの日本人駐在員も少しずつ受け始めている。自分の身を守り、かつ職場や友人とのコミュニティーを守ると言う意味で、今できることはやはりワクチン接種だと思うからである。
いずれにせよ、この小さな国に対する信頼、安心感がなければ出来ない行動であろう。たまたま住むことになった今年建国50周年を迎えるこの国に、感心・感謝する次第である。
脱・監禁生活、そしてバースデー
先週、無事に10日間の監禁生活が満了した。この間、8日目にPCR検査受けに近くのスクリーニングセンターに行ったほかは、家から一歩も出なかった。仕事、読書、テレビ、掃除、洗濯、睡眠、そして食事や食材も外から取ることなく家で自炊を通した。やればできるもんだねぇ(笑)。
リストバンドを外す日はさすがに心が躍り、朝イチは混むと言われながら8時開始の30分前に市内の指定された取り外し場所に着いた。案の定100m以上の行列であった。皆さん、やはり早く解放されたいのである。
屋内に入ってここで少し待って、前方のカウンターでIDや記録をチェック、横に移って取り外しという段取り。中に入って20分ほどで終了した。
こうしてビフォー、
アフターとなった。メデタシめでたし。
さらにめでたいことに、出所した翌日がたまたま俺の半世紀+α、というか還暦-αの誕生日であり、アブダビの友人たちが祝ってくれるという。
こうしてまた愛情のこもった数々のお手製料理をいただき、
しかもこのネーム入りの眩いバースデーケーキ。絶句、感涙でありました。
さらにアブダビ自転車部員奥様にはサプライズの自家製ケーキまで用意いただきました。
異国の地でこんなに素敵に誕生日を祝ってもらえるなんで!本当に皆さん、ありがとうございました。
翌日は家族からもTeams経由で、見るだけだけどケーキを用意して祝ってもらった。
こうして2021年のアブダビ生活が愛情たっぷりに再始動した。コロナ騒動はまだ当分続きそうだけど、今年は丑年。ものの本によれば、牛は古くから酪農や農業で人間を助けてくれた大切な動物で、大変な農作業を最後まで手伝ってくれる働きぶりから、丑年は「我慢(耐える)」、「これから発展する前触れ(芽が出る)」というような年になるそうな。前半は少し我慢して、後半以降は大いに発展させたいものですな。
監禁生活折り返し
GPSリストバンド監視付き監禁生活も5日が経過して、ようやく折り返し地点にきた。この間、本当に家から一歩も出ずに過ごしている。アブダビ在住の友人に、家から出ると警察が来るとか、罰金5万 AED(約150万円)とか脅され、こうなったら徹底して家に籠ることにしている。
少しでも運動不足解消、気分転換のため、従来の2種の体操に加えて YouTube でさらに自宅でできる簡単エクササイズ、自重筋トレなどを実施、朝の体操だけで合計40分以上費やしている。食事は今のところ3食すべて自炊。日本から持ってきた各種レトルト、お餅、蕎麦などで何とかしのいでいる。お酒も日本滞在中の休肝日はゼロだったが、戻ってからは半分以上控えている。
そうしたこともあってか、体重は日本に帰る前の1キロ増まで戻した。血圧は日本滞在中は基準値を超える日がほとんどだったが、こっちに戻ってからはほぼ正常化。以下はオムロンの血圧計で測ってスマホに転送・記録している毎朝の測定結果。青が基準値以下、赤が基準値超え、黒っぽくなると大幅超え。
平日は在宅勤務で、仕事をそれなりにしている。休日は読書三昧。日本で買い込んできた本を読んでいるが、下記本が秀逸。この先生の新たな論理がとても興味深く、Webinarなどにも参加している。
それにしても、やはりこの監禁生活は堪える。。早く娑婆に復帰できることを待ち望んでおります。