anezakimanのアブダビ日記

アラブ首長国連邦アブダビ首長国に駐在になりました。そこで出会ったことを綴ります。

欧州ドタバタ出張

業界関係の産業メッセが4年振りにドイツのデュッセルドルフで開催された。関係者との打ち合わせも併せて、新型コロナパンデミック前はもちろん、アブダビ赴任以来初めての欧州出張を実行した。

初日、早朝2時発のフライトでアブダビ空港を出発、7時にフランクフルト空港に着き、そこから列車でデュッセルドルフに向かい、メッセ会場での11時の某社のインタビューセッションに参加する予定であった。ところがアブダビ空港で飛行機が滑走路まで出た後で技術トラブルが発覚、いったん駐機場まで戻って待機、修理となり、結局2時間遅れでの出発となった。

インタビューセッションを昼12時に延期してもらう一方、フランクフルト空港着が9時、ドイツ入国審査を経てそのまま隣接した空港駅9時20分発の特急列車に飛び乗れて、なんとかぎりぎり12時前にメッセ会場に駆けつけることができた。セッションの冒頭で、ドイツの効率的・機能的な交通公共機関のお陰でこうしてここに来れましたとドイツ運輸当局を褒めたたえた。

ところが翌日の夕方のこと。オーストリアのリンツという都市へ向かうべく、デュッセルドルフ空港に出発時間の3時間前に着くと、空港は超大混雑でチェックインカウンターも長蛇の列。

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チェックインまで1時間かかったが、まだ時間はあるとホッとしたのも束の間、荷物検査の前がまた超大行列。いつまで経ってもたどり着かない。結局、出発時間の15分後にゲートゾーンに入れたが、すでにゲートは閉まっていて乗り過ごすこととなった。。多くの他のフライトは遅延であったのに、まるで俺のフライトだけが定刻出発。

やむなくいったん再入国してチケットカウンターで翌朝のフライトに替えてもらう。フル料金は取られなかったが、手続き料として60ユーロほど取られた。その晩のホテルを急遽空港近くで確保したが、長時間の待ちと翌日のスケジュール調整の疲れでぐったり。。

翌朝は7時発の便で、念のため前の日にチェックインまで済ませて、それでも4時起きして4時30分には空港に着いたが、こんな早朝なのにまた荷物チェック前で昨日以上に大混雑。

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たまに横入りする不埒な輩もいて、喧騒と混乱の渦であった。

それでも今回は搭乗時間の少し前に入れて、何とか間に合った。それにしてもこの混雑ぶり。コロナ禍からの回復による移動需要増に加えて、メッセ時期での混雑、学校休暇少し前で早めに旅行に出る家族、そして何と言っても空港職員の少なさ(荷物チェックレーンは2つ3つしか稼働していない)。前日に褒めたたえたドイツ運輸行政だったが、少なくとも空港当局に関しては前言大撤回である。

さて、そうしたことはあったが、デュッセルドルフという地には良いところがたくさんある。まずは食事関係。メッセ会場でも飲めるこの地の代表的ビール、アルトビア。

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仕事を終えて皆集まるのは旧市街地のビアレストラン。

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ハクセというドイツ代表的な豪快な豚肉のすね肉料理。

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そして欧州での日本人駐在員の集積地であり、日本食のレベルの高さ。ここで食べた醤油ラーメンのうまさは日本の普通のラーメンと遜色なし。

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そして市街地のあちこちに広がる豊かな自然、

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大いなるライン川の流れ。

f:id:anezakimanAD:20220628015554j:imageこの時期、夜10時近くまで明るく、人々は思い思いに長い日を楽しんでいる。

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こうして少しドタバタしたが、無事に次の訪問国のオーストリアにたどり着き、そこでも仕事をこなして、金曜日の夜にウィーンにてフリーとなった。ということで週末旅行編で to be continued...

公私ともに活動活発化

先週からこの国で6月中旬から9月中旬に適用される Midday Break ルール が始まった。昼の最も暑い時間帯(12時30分~15時)での直射日光の当たる野外作業を禁止するもので、違反企業、違反者には罰金が課せられる。本日の最高気温47℃であり、確かにもう外に出れる環境ではなくなってきた。

そうしたヒートウェーブに呼応するかのように、世の中の活動も過熱してきたようで、俺も最近なんだかんだと忙しくなってきた。仕事においては、お客様、取引先などのビジネスパートナーの方たちが、日本からの出張者も含めて実際に事務所に来ていただくケースが増えた。これまでのTeams等のオンライン会議から、実際に顔を突き合わせての協議は、やはり心地よい。

また、ノンビジネスでは先般、日本人学校の先生方にお越しいただいた。生徒さんをお連れいただく社会科見学の事前下見である。

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参加者はPCR陰性証明24時間以内要というやや過酷な条件ながら、ビジネスイベントも公開で行われるようになった。こちらは政府系の投資促進イベント。

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また俺自身の海外出張も、先般触れたカタール以外に今週予定されており、楽しみだ。

プライベートでも友人知人との飲み会にイベント系も雑じり、毎晩吞みっ放し。。アブダビ自転車部で、ひときわ存在感のあったお二人の女性がアブダビから離任することになった。その壮行会を部員Sさんのお宅で実施した。

OMさん。はきはきてきぱきの切れ者ビジネスパーソンで、このたび3年間勤めた政府系団体出向を解かれ、日本の出向元企業に帰任することになった。

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HSさん。20代にして博士号を取得し、現在当地の大学の先生をしている。当地で知り合った男性と結婚して近々隣国に移られる。

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お二人ともアブダビを代表する才色兼備のパワフルレディーである。すでに日本に帰任されたWさんとともにアブダビ兄妹会を結成して、時々飲み会などを通じて元気をもらっていた。この会もとうとう俺一人となり、解散である。。別れとは寂しいものであるが、アブダビ自転車部は嬉しいことに日本含めたネットワークが広がりつつあり、何れどこかしらでお会いできるものと確信している。OMさん、HSさん、大変お世話になりました。新天地でのご活躍をお祈りしております。

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Mキャプテンのボート出航プラス浜でのバーベキューを久々に敢行。アブダビの摩天楼をバックに夜8時出港。潮風も手伝ってまあまあ心地よい。

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いつもの浜に上陸し、さっそく設営。

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今回初参加ながら、釣り好き、BBQ熟練のアウトドア・プロマネのKさんが手際よく進めてくれる。

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今回のメイン、ジューシーなラムチョップがたまらない。

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オトコの料理探求のSさん自家製のサーモンホイル焼き。香ばしくて美味。

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こうして楽しくも美味しい時間を過ごして、夜11時前に無事帰港。

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最後は運動系。ほぼ毎朝、海岸の砂浜をランニング。早朝でも30℃前後になっていて、無人のグランド状態。

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いるのはエイくらい。だいぶ前にエイの死骸は見たが、今回は生きて泳いでいたのにはビックリ。

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先月から月イチペースでヨガを始める。こちらで働いている日本人女性、Kさんがヨガの国際資格を持っており、1時間のヨガ教室を自宅で始められたのだ。

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ヨガといえば、昔ネパールのポカラに旅行で行った際に、ネパール全国大会3位というこちらのヨガ導師のおじさんに一度習ったきり。

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瞑想、呼吸、全身すみずみストレッチといった心身両面の鍛錬が実に気持ち良い。Kさんの優しいご指導もあり、中毒になりつつあります(笑)。

アブダビ首長国外活動

6月になった。娘は日本に帰ってしまった。。日中の最高気温が40℃を超える酷暑の夏もやってきた。。。気分が沈む日もあるが、それでも俺は何とか元気を出すべく活動中、時にはアブダビ首長国を出て動き回っている。

まずお隣のドバイ首長国。平日の仕事後、日本人社員一同で日本居酒屋の木村屋に向かう。木村屋は今やドバイに4店舗展開しているが、まだ行ったことのなかった4号店を訪問。木村屋グループが新しくドバイに仕入れた熊本の最高級A5黒毛和牛のプロモーションを展開中で、しゃぶしゃぶ、焼肉、さらに一部アラカルトが食べ放題で199AED/お一人様と超お得(プロモーション終了した6月以降は250AED/お一人様)。

その日は大きな仕事が一区切りついた慰労も兼ね、だいぶ暑くなった野外席だが冷風機の前で日本人5人、大いに食べ呑む。

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舌でとろける霜降り肉で精をつける。

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また別の夜には友人とドバイの魅惑的な夜景を愛でつつ、カクテルなどを少々。

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お次はUAE国外。超久しぶりに海外業務出張で、お隣のカタールを訪問した。仕事をこなしつつ、時間を見つけては初めて訪れるこの国の文化、歴史を探索する。

LNG生産大国、最高額紙幣にはLNG輸送船の図。

国立博物館に行ってみる。お金を潤沢に使った大規模な展示から、この国の歴史と文化を学ぶ。

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Emirと呼ばれるこの国の最高権力者はまだ若く、ちょうど滞在中に42歳の誕生日を迎えたばかり。

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日本との関係も深い。

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夜は旧知の日本人友人たちとの会食の他、現地のパートナー会社社長宅に呼ばれて自宅バーカウンターで一杯飲みながら懇親を深める。

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ちょうどこの滞在中に、カタールで11月から12月にかけて実施されるサッカーワールドカップの観戦チケットの当選が判明、やったね。

自宅上空を飛んで、無事に帰ってくる。

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元気出さなくちゃねえ。

娘、アブダビに来る

娘がアブダビに来てくれた。昨年はいろいろな事情が重なって3か月に一回、帰国していたが、今年は年末年始に帰ってすでに半年近く経って家族が恋しくなっていた。さらに新型コロナ感染で心身ともに疲労気味であった。

そこに娘が父親の陣中見舞いでアブダビにやって来てくれたのである。

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まだまだ日本人が観光で海外に行くことに抵抗があるし、またアブダビ首長国はALHOSNによる行動規制が残っている。それでも彼女は来てくれた。そのため、アブダビ来訪に関して事前にいろいろと情報収集した。

  1. ワクチン接種者(娘は3回接種済み)は事前PCRなし、隔離なしでアブダビ入国可。
  2. ただし行動規制なくすため、ワクチン接種証明とPCR検査陰性証明が必要。
  3. ワクチン接種証明は日本の接種証明書アプリを見せれば対応可。
  4. PCR検査はアブダビ空港に着いたら任意で受けれてこれは受けるべき。
  5. 理想は事前にICA登録して、こちらでALHOSNを登録、グリーンパス入手。

これらが事前認識であり、結果的に5で対応できた。事前にICA登録し、そこに日本の接種証明書アプリによる情報をアップロードしておき、アブダビ空港で受けたPCR陰性結果がすぐにALHOSNに反映され、到着したその日の朝から行動制限はなくなった。

そうして丸6日間、娘はアブダビに滞在し、俺は1.5日ほど会社に行ったが、それ以外はずっと一緒に過ごすことができた。至福の時であった。

アブダビで行ったのは、ジュベイル島マングローブ公園と、シェイクザイードモスク(Culture Tourに参加)、

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そしてルーブルアブダビに、アブダビナショナル水族館。

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そしてもちろん家の目の前のビーチ。

ドバイに1泊で小旅行した。そこではアトランティスホテルに泊まってウォーターパークと水族館を満喫した。また Madinat Jumeilah 地区の運河沿いのレストランで素敵なディナーを楽しみ、そのあと世界最大高さと言われている The Palm Fountain に見入った。

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父親も含めて何よりも良かったのは、アブダビで自転車部の皆さん、友人の皆さん、そしてドバイでも友人ご夫婦や友人の皆さんが、娘と交流してくれたことであった。ちょうど社会人になりたての娘にとって、こうした方たちとの交流がどれほど刺激になったことか。これが彼女にとって一番の収穫になったのではないだろうか。

そして俺にとっても、娘と二人、いろいろなところを見て回って、いろいろな話をして、いろいろな人と交流し、美味しいものを食べて飲んで、とても濃くて楽しい時を過ごした。Panda Bao Bao、FLOOKA、NIRI、SUSHI MARU、Madangなどなど。

こうしてあっという間に時が過ぎ、娘は今晩のフライトで帰っていった。

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娘には感謝しかない。そして俺は当分ぐすんぐすん。。

完・新型コロナウイルス感染記

Day 6~8

症状もほぼ無くなり、体調は元通り、むしろより元気になった感じ。早朝のフル体操と海岸散歩も復活。夜もビール以外に、ワインやウイスキーをちびちび飲みだす。8日目に受けた在宅PCRは既述通り陰性であった。翌日のPCRが陰性であれば晴れて完全復活だ。自宅隔離が明けた最初の夜は誰と飲みに行こうかなとウキウキし始めていた。

Day 9~10

ところがである、9日目の夕方に受けた自宅 PCR の10日目の早朝に入った結果は POSITIVE。。一瞬頭が真っ白になった。なぜ、どうして、この24時間で俺の体に一体何が起こったのか。。。この後俺は一体どうしたらよいのか。。。。

その際のSNSのリンクにあった24ページもある隔離のためのガイドラインを精読した。

https://www.adphc.gov.ae/-/media/Project/ADPHC/ADPHC/PDF/Isolation-Guide/Isolation-Guide--Eng.pdf

俺に関連する記述としては下記3点。

  1. 感染から7~10日目を過ぎると感染リスクは急速に減少する。
  2. 10日間隔離を終えて症状が無ければ、ウイルスは active でも infectiousでもなくなるため、そこでPCR陽性であったとしても在宅隔離は不要となる。
  3. ただし職場復帰については、PCR陰性を確認後のほうが望ましい(advisable)。

ということで、規制上は翌日から隔離不要ということのようだが、心置きなく職場復帰、社会復帰するためにはやはりPCR陰性が必要である。その日の朝一番、さっそくLifeDxに行ってPCRを受ける。夕方、NEGATIVEの連絡。それでもPCR 2回受けて陰性にならないと ALHOSN は赤のままだ。

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明日、再度受けに行くことを決め、この日は酒も飲まず、夕食を食べて早々に寝る。

Day 11(本日)

24時間間隔があることを確認しながら、朝、再度LifeDXへ。ここで結果を早く受け取るため、ちょっと高くなるがExpress Service を申し込む。

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そうして昼過ぎ、無事に2回連続 NEGATIVE の結果を確保。ALHOSNも久しぶりにグリーンに戻った。

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途中の気まぐれのような POSITIVE は一体何だったのかと毒づきながらも、やれやれである。こうして一波乱あったが感染記の完了となった。以下思ったこと。

  • 無症状感染より明確に症状があったことで、自宅隔離もいさぎよく納得でき、遵守できた。今のところ、特に後遺症も見当たらない。これで抗体が強化されたとしたら良かったかも。
  • 改めてアブダビ首長国保健当局の合理的、徹底かつ丁寧な対応に感じ入った。感染患者に対するフォローとして、在宅 PCR、2日に一回ほどの電話でのチェック、きめ細かく充実した隔離ガイドラインなど。隔離明け初日には、正式な End of isolation certificate までいただいた。
  • でもやっぱり病気になって家で一人で過ごすのは心細くて寂しい。

さっそく隔離明けの本日、友だちとホテルのレストランでビール、ワインを楽しみ、最後にNIRIでお寿司を食べて一人快気祝いをした。

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お疲れ様でした。

アラブ首長国連邦のリーダー交代

昨日、当局から自宅に派遣されたスタッフにより受けたPCR結果が無事陰性となり、本日再度受けて陰性であれば、明日からでも娑婆に出れそう。よしよし。

さて、そうした隔離生活を送っていた最中、この国の大統領、Sheikh Khalfa bin Sayed Al Nahyan(文字通り訳せばナヒヤン部族出身、お父さんがSayed、名前がKhalifa の部族長)が逝去されたと報じられた。

1948年生まれ、享年73歳。偉大なUAE建国の父、Sheikh Zayed bin Sultan Al Nayhan の長男として生まれ、Zayed初代UAE大統領が亡くなられた2004年に第二代UAE大統領に就任、現在まで18年近く大統領職を勤められた。

しかしながら、2014年に脳卒中を患って手術を受け、俺がこの国の事業に本格的に係わり始めた2017年前後には、すでに病が重くなってほとんど表舞台に出ることはなかった。エミラーティから漏れきいたところによると、お酒がお好きだったそうで、偉大なる父の跡を継いで大いなるプレッシャーがあったのではと勝手に推測している。

もちろん、Zayed初代大統領の偉大な功績を引き続き、ここまでアラブ首長国連邦の発展に尽くされてきたことは論を待たない。この国の繁栄に預からせてもらっている一人のエクスパッツとして、心よりご冥福をお祈りしたい。ちなみにこの逝去に際して、UAEとして40日間の喪服期間と至近3日間が公休日(土日月)となった。

その後継大統領はすでに規定路線であるが、アブダビ首長国皇太子であった Sheikh Mohamed bin Zayed Al Nahyan(通称MBZ)である。逝去の翌日、さっそく発表された。一応形式上は、7つの首長国の首長(Ruler)からなる Supreme Council(最高評議会)で選ぶことになっているが、この国の大統領はアブダビ首長、副大統領兼首相はドバイ首長がなることになっていて、満場一致でMBZが選ばれている。

UAE leaders in Abu Dhabi

1961年生まれの61歳。すでに2015年前後から実質大統領として内外で活躍されており、サウジアラビアの実質リーダーである皇太子 Sheikh Mohammed Bin Salman Bin Abdul Aziz(通称MBS)と昵懇の仲とされ、 GCC連合の政策を一緒にけん引してきた。最近のイスラエルとの国交正常化や、周辺国との関係強化など、優れた外交感覚を持つとされる。

また経済発展の礎として人材教育に力を入れていて、日本的道徳教育に関心を持って日本人幼稚園、日本人学校にUAEの子供を入れる施策をリードした。人間としても魅力的なリーダーとして、国民に絶大な人気を誇る。

実は俺も赴任後すぐの2017年冬、この方に謁見する幸運に恵まれ、実際に声をかけてもらって感動した記憶がよみがえる。

あるお方 - anezakimanのアブダビ日記

これは俺のお宝写真となっている。

名実とともにこの国の新たなリーダーの誕生にお祝い申し上げるとともに、更なる発展に期待し、俺も微力ながらその一助となりたいものだ。

ところで、MBZ後継のアブダビ皇太子(次の大統領候補)に関心が行く。候補としてZayed元大統領の子供(MBZの兄弟)がまだ何人かいる一方で、MBZのお子さんがなるという話もある。この辺りは、Nahyan部族内での激しい権力闘争があるとも言われている。発表を待ちたい。

新型コロナウイルス感染記

楽しい旅行記の次は一転して感染記。。そう、ついにかかってしまいました、新型コロナウイルス。。自分は陽性になる気はしないと豪語してきたが。。。

Day 1

週末の朝。目覚めるといつもと違って明らかに体がだるい。超久しぶりに体温計を引っ張り出して測ったら37.5度。平熱は36度前後なので俺にしてはかなりの高熱。咳もある。これは風邪に違いないと、平日の疲れもあり、何もせずに寝て休むことにした。

午後になっても体調はすぐれず、再度体温測ったら38.6度。これはまずいと直感し、コロナの可能性も頭をよぎった。PCRだけ受けようかとも思ったが、症状もあるし病院で診てもらうことにして、市内の病院にアポなしで向かった。そこで体温、血圧、血液検査、PCR検査を受け、診察を受ける。特に何も説明されずに、お尻に注射を打たれ、2種類の薬(解熱剤、鎮痛剤)をもらって帰宅する。これで熱も下がってやや落ち着いた。飯を作る気がしなかったので、和食弁当持ち帰りで家で親子丼を食べて寝る。

Day 2

朝9時14分、SNS経由でPCR検査結果ポジティブの連絡が入る。ああ、ついになっちゃったかーという第一印象。どのような経路で感染したか、ちょっと考えてみる。

ほとんどマスク無しで過ごしたボスニア・ヘルツェゴビナ旅行中での感染の可能性はあるが、戻ってから4日ほども経っての症状発生でこれはありか。またボスニア後にドバイに友人と会食に行ったので、ドバイかもしれない。

連休中の外出続き、会食続きで疲れ気味だったかも。さらにちょうどファイザー2回接種後6か月が経った後で、そろそろブースター打とうかというタイミングであり、ワクチン効果が切れた(薄れた)のかもしれない。しょせん真実は分からないけど。

保健当局からのSNSによれば、今回が一回目か二回目の陽性、かつ症状あり、かつ慢性疾患持ちか年齢50歳以上のどちらか、この3点に該当する人は、コロナ指定病院(COVID-19 Prime Assessment Center)に来いとの指示。

俺は今回が最初、その時点では体調はだいぶ良くなってきたが症状は残っており、そして50歳以上に該当するので、出頭要である。Mafraq HospitalかAl Mushrif Wedding Hallのどちらかとあったので、病院が良かろうと前者に行ったが閉まっていた。日曜日だからなのか、対象患者が減ってるからなのか不明だったが、次に向かった Wedding Hall もガラガラだったので、対象者が減ってはいるんだろう。

昼過ぎに体育館のような場所に着く。以下の紙をもらい、これに従い順にプロセスを経ながら館内を移動していく。

登録、血圧等の基本データ取りとPCR検査、医師の問診、薬処方、隔離の説明と進んでいった。医師の問診では、日本人ですか、珍しいですね、あなたが初めてですよと言われた。こんなとこまで来る日本人は俺だけか。。

薬をたくさんもらい、隔離の説明を受けた。アパートの自宅で一人住まいというと、自宅にいて家から出てはいけません、あなたが一人外に出るだけで12千人の人がリスクとなります(何らかの統計的知見らしい)、くれぐれも出ないようにと言われ、もしかしてリストバンド付けられるかと思ったが(入口にリストバンド脱着はこちらへという看板を見かけた)、それはなかった。

隔離期間は感染日(PCRを受けた日)からその日を含めて10日間。8日目と10日目にPCRを受け、両方陰性であればそれで治癒となり開放とのこと。なお、PCRは外で受けるのではなく、スタッフが自宅まで来るとのこと。徹底している。

この一連のプロセス、ここに着いて30分ほどか。ガラガラだったこともあるが、相変わらずこの国の効率の良さに感心した。もちろん完全無料である。

体調自体はだいぶ良くなっていたが、さすがに疲労感を覚えつつ、関係者に連絡する。少数の濃厚接触者の可能性があった方にお詫びも含めて報告(幸い皆さん問題なかった)。仕事は体調が悪化しなければ家で出来そうだったので、自宅勤務を予定。

Day 3~5

体温は完全に平熱に戻ったが、咳と喉の痛みが残っている。間が悪いことに今週は俺が仕切る四半期に一回の大会議があり、その事前も含めていくつかの重要な会議があった。体調が悪ければ代役を立てることも考えたが、幸い声の調子が少しおかしいくらいで業務には支障なさそうであった。

結果的には月、火、水と会議をTeams経由無事終え、やれやれであった。その他の打ち合わせも含めて、コロナ感染下でもほぼ平常通り業務をこなすことが出来ていると思う。

食事は、初日に食材を買い込んでいたので、その自炊がメイン。免疫力回復強化に力点。

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たまにM邸割烹のゴージャスランチ弁当をいただく。

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薬は5種類もらって、毎日決められた通りに服用する。ビタミンC、鎮痛剤、解熱剤、のどあめ、うがい薬、鼻用スプレーなど。

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もちろん自宅から一歩も出ず、完全療養に努め、体操も散歩もせず、アルコールも無し。さすがにDay 5になってから、誰もいない早朝の海岸で30分程度の散歩だけさせていただき、ビール500mlだけちょっぴり(苦笑)。

Day 5現在、咳以外はほぼ完全回復。もちろん油断せずに自宅でおとなしく過ごし、元気に治癒して、早く娑婆に出たいものであります。