ラマダーン始まる
今年の聖なる断食月、ラマダーンが本日より始まった。まずはイスラームの世界観、生活感に一番寄り添っていると思われる日本人、ハムダなおこさんの「アラブよりこんにちは」からの下記描写を改めて噛み締めておきたい。
- ラマダーンとはイスラームで使うヒジュラ暦の九ヶ月目をいい、世界中に散らばるムスリムが、日の出前から日没まで、一切の食べ物を摂らない断食月。
- なぜ神が断食を人間の義務としたのか。なぜそれを世界中のムスリムが千四百年間も変わらず続けているのか。なぜこうした修行を十五億もの人々が嬉々として受け入れ、精進し、毎年その期間が終わることを嘆くのか。その答えは簡単です。それは自分が幸福であることを教えてくれるからです。今日のご飯があること、眠る場所があること、自分のそばに家族がいること、家族と一緒に時を過ごせること、近所に自分を気に懸けてくれる人がいること、自分が貧しい人たちを援けられる立場であること、貧しい人たちに感謝されること、そして自分は家族とつながり、人とつながり、神ともつながっていること。そうしたささやかなことが人間の究極の幸福であると教えてくれるからです。
- 人間という弱い存在が幸福を身に沁みて感じるためには、三十日間の長い期間が必要なのだと、改めて神の定めた義務の意味を知ります。一日を我慢することは誰にでも出来ます。しかし三十日となれば、生活全体を変える努力と心構えが必要です。食べない行為だけでなく、ラマダーン中は喧嘩をしない、大声を出さない、人に優しくする、喜捨に励むなど、多くの生活上のルールが増えます。それを家庭でも学校でも社会でも、人間の義務として繰り返し繰り返し教えています。
現地紙に、自国民、エクスパッツに聞いたラマダーン中にやりたいこと、見たくないことや気をつけるべきことを一つ挙げるとすればということで下記紹介されている。
やりたいこと
- より多くの時間祈る
- クルアーン(コーラン)を読む
- イフタールで友人との外食、時間を楽しむ
- 平安に寛容にストレスなく過ごす
- イフタール時に食べ過ぎずにサラダ等の健康食を食べる
- イフタールの喧騒から離れて祈ったりクルアーンを読む
- 運動に心がけ、健康に過ごす
- 他人の手助けをより心がける
見たくないこと、気をつけるべきこと
- 乱暴な運転(特にラマダーン最初の週は危険と)
- イフタールでの暴飲暴食、残った食べ物の大量廃棄
- 勤務時間が減る中でも出来るだけ効率的に働く(断食を言い訳にしない)
- 腹へって喉乾いてもイラつかずに他人にいつも通り優しくする
- 大声を上げて叫んだり騒いだりしない
いずれもよく分かる話だなあ。さて、この時期、キリスト教国のクリスマスカードさながらに、いろいろな会社から色とりどりのラマダーン・メールが届く。
ちなみに Ramadan KareemとはGenerous Ramadan、Ramadan Mubarakとは Blessed Ramadanとの意味らしい。
さて、最後に俺の今年のラマダーンの目標。
- 朝食をしっかり取ったあとは日没まで食べ物を口に入れない、水分はOK
- 外食を別にして、家での夕食時にはアルコールを飲まない
- 会社仲間や友人たちとイフタール・スフール的宴会をMin. 7回企画実行する
- クルアーン的書物(阿刀田高の「コーランを知ってますか」、ブルース・ローレンス+池内恵訳の「コーランの読み方」の2冊)を読む
イスラーム地域在住者の楽しみともいえるラマダーン月を、俺なりに有意義に過ごしたいものである。