アゼルバイジャン共和国旅行記・後編
土曜日。
この日が視察のメインである。効率よく回るため、地元ガイドを9時から17時まで終日雇う。アゼルバイジャン人なれど、日本語でのガイドもできるという。盛りだくさんにもバクー内外を7か所廻った。以下、怒涛の行程を順番に。
1.Mud Volcanoes(泥の火山)
最初に訪れたのがバクー市街地から30分ほど車で走った大平原。
ここでは泥や水の中でガスや石油が自噴していて、あちこちで小さな泥の火山といった様子なのだ。
数秒間隔で泥や水がポコポコ音を出して動いている。こうした場所があちこちに広がっている。まさに石油・ガスの平原である。
2.Gobustan Rock Art(Gobustan地区の岩の芸術)
お次は紀元前から地元民が住んでいたという岩の居住地。
岩の壁面に人や動物などが描かれている。
3.Bibi-Heybat Mosque(ビビヘイバット・モスク)
アゼルバイジャンの人口の7割以上を占めるイスラム教シーア派のモスク。この国はかなり世俗的で寛容であり、お酒もOK、豚肉も食べれて、シーアもスンニも関係ないとのこと(ガイド氏いわく)。シーア派のモスクは一般人も中に入れて写真も自由。
カラフルなモスク内。
預言者の子孫のお墓が安置されている、とても由緒あるモスクとのこと。
4.World First Oil Well(世界最初の石油掘削用井戸)
ようやく社員研修らしい場所に来ました(笑)。1846年に稼働した世界最初の工業用石油掘削井戸。工業用というのは機械を使った設備ということで、手掘りは米国が世界最初とのこと。
井戸の隣にはこの当時のパイプラインの展示。なんと木製である。
近くにあった生産中の井戸。
こうした小規模の井戸は道路を走っていて市内あちこちに見える。
ポンプで原油を引き上げるメカニズムなどをひとしきり議論したあとで、今回のメインの一つの場所を後にする。
5.Ateshagah Fire Temple(アテシュウガ地区の火の寺院)
こちらは火関係。ゾロアスター教の寺院で、”永遠の火”を祀る聖地である。イスラム教でいうとメッカのカーバ神殿に相当する由緒ある寺院である。こちらはかなり小規模だけど。。
思わず火に手を合わせる同僚なれど、実は現在は都市ガスを引きてきていて、”永遠の火”ではないとのこと。。
6.Yanar Dag(アゼルバイジャン語で燃える山の意)
そうしてガイドツアーの最後にやってきたのは、正真正銘の”永遠の火”。こちらは地下からの天然ガス噴出による火であり、何をしても消えないという。
熱い熱いと言いながら何とか記念撮影(笑)。
こうしてガイドツアーは終了したが、軍事マニアのMさんがホテル近くで戦車群を見つけてぜひ行きたいと。
7.Military Trophies Park(軍事・戦利品展示公園)
2020年の44日戦争でアルメニアから奪い返したナゴルノ・カラバフでの勝利を記念した戦利品展示公園。都会の真ん中に敵軍から奪ったり破壊したりした戦車や車両が多数展示されており、ある意味不気味。。
一つひとつの展示物にこうした説明看板が必ず付いている。M氏は嬉々としてあちこちの戦利品を見て回っていました。
家族連れで記念写真なんか撮ったりして。
カラバフはアゼルバイジャンのものだ!
平和ボケした日本人にはやや引く光景だけど、戦争が日常的なこうした地域では国民全体で勝利の高揚感を抱き続けたいということかもしれない。ちなみに我がガイド氏もこの紛争に志願して参加したとのこと。
これにて充実したバクー1日ツアーが終了。最後の晩餐はまた旧市街のアゼルバイジャン料理店でスープ、ケバブ、ピラフなどを楽しむ。
少し疲れつつ充実したバクーを振り返りながら、楽しい団体旅行のひと時を過ごす。
土曜の夜だけあってお店の外にでると人でいっぱい。
カスピ海、そして燃える火のライトアップを眺めながら、再び歩いてホテルに戻るのであった。
こうして2日目も大満足のうちに満了。
日曜日。
朝、カスピ海沿いを散歩中、日の出に遭遇。今回の旅を象徴するような見事な美しさ。
帰りの飛行機も30分程度の遅れで順調に出発。カスピ海油田のジャッキアップリグを発見。
UAEにはドバイから戻り、パームジュメイラ、ジェベル・アリ港、パームジェベル・アリがくっきりと眼下に広がっていた。
そして砂漠色に染まったマイシティに無事ラインディング。
最後に全体の感想。
- アブダビからバクーまで片道3時間前後。料金はWIZZAIRの一番安いレートで往復AED 500以下。近くで安いバクーはとても行きやすかった。
- 石油・ガスのいろいろな形態(自然の状態での泥の中や大地へ火として放出、初期の生産井やパイプライン、現代の地上や海上のリグなど)の実地検分ができて満足。こんな場所は恐らく他にないだろう。
- これ以外にもいろいろ見どころあり(ゾロアスター教の聖地、戦利品公園など)
- 食事も美味しかった。ラム好きの俺にとってラム中心の地元料理に大満足。シェパート(羊飼い)という言葉がよく出てくるくらい、この国では羊肉がメインのようだ。地元ビール、赤ワインも飲んだが、ワインは有名だけあってさっぱりしつつ後に残る赤ワインが美味だった。
- これまでのWBPと違って団体旅行は楽、ただついて行くだけ(笑)。幹事役を担ってくれたSさん、Oさんに感謝。
- もはやコロナは誰も気にしていない。バクーではマスクしてる人は皆無、飛行機の機内でも必須と言われながらほとんど誰もせず。社内で最後までマスクに拘っているMさんも、周囲に奇異に見られ続けてついに観念したのか(苦笑)、バクー2日目からマスク無し。ちなみに帰国後の空港PCRで陰性を確認済み。
- 短期間ツアーは現地ガイドを雇うに限る。しかも日本語だと楽ちん、気楽に現地事情も聞ける。今回のガイド氏は27歳で1歳の女児の父。日本の大学に1年半留学していて日本大好き。居酒屋はなの舞でバイトもしていたというナイスガイ。ところどころ「なんだっけ」という親しみある日本語をはさみながら(笑)、一生懸命説明してくれた。お薦めします。
旅行会社名:Azerbaijan Travel Company
ガイド名:Teymur(ティムル)君(下の写真右から2番目)
電話番号:+994-51-631-0181
これからWBPが全面展開する予感。To be continued...