anezakimanのアブダビ日記

アラブ首長国連邦アブダビ首長国に駐在になりました。そこで出会ったことを綴ります。

隔離•折り返し地点

日本国政府ご指示に従って、成田到着から6日間のホテル隔離中、半分が経過した。滞在しているのは『マロウドインターナショナル成田』というホテル。6日間になったからなのか、前回4月に3日間泊まった『東横イン』よりもやや広く、支給される弁当もパン、ご飯など多彩でボリューミーな感じで、今のところまあまあ機嫌よく過ごしている。結構広い窓から緑や夕陽が見えて、これが気持ちを癒してくれる。

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6日間といえば結構な日数なので、それなりに準備してきた。自転車部の仲間からアドバイスされたのはお風呂。ひたすら湯船に浸っていたという。そこで持参したのは温泉の素。毎晩これで温泉三昧(笑)。

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禁止されてはいるけど、焼酎の紙パックを持ってきて、ちょっとだけ晩酌しています。。

あとは出来るだけ規則正しい生活。毎日ほぼ6時起床。ラジオ体操第一・第二、アクティブ体操Ⅰ・Ⅱの20分の体操を1サイクルにして、飯前の朝昼晩と3回体操を実施。日中は仕事優先しつつ、修士論文の情報収取、執筆にも勤しんでいる。

ある意味では、人生において6日間も誰にも干渉されずに、限定されたスペースだけど一人で過ごすのは貴重な体験である。部屋にいる限り何をするのも自由であり(出来ることは限られるが)、あと半分、少しでも充実させて過ごしたいものだ。

成田空港•実況6時間

エティハド航空EY878便は、予定より30分遅れの16時30分に成田空港にタッチダウンした。スマホをオンにすると友人から驚愕な知らせが。アブダビ首長国のグリーンカントリー指定国から日本が外されたという。

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これまでワクチン接種完了者に免除されていたUAE入国後の自宅待機が復活、しかもこれまでの5日間から7日間に延びたと。懸念していたことが実現してしまった。しかもよりによって日本到着のちょうどその時に知らされるとは。。

重い足を引きずりながらも、気を取り直して空港内での入国プロセスに進む。下記17ものチェックポイントを経て、最終的にホテルの部屋に入れたのは22時30分。ちょうど6時間の長い長い道のりであった。

  1. 飛行機から降りて建物に入って一旦待機
  2. 書類チェック
  3. コロナ唾液検査
  4. QRコードなどの書類チェック
  5. 3つのアプリのインストール・動作確認
  6. 書類チェック
  7.  情報の登録
  8. 待機場所の座席登録
  9. 座席の受付
  10. 座席で待機
  11. コロナ陰性確認後、移動
  12. 入国審査
  13. 荷物ピックアップ後、税関を経て空港出口へ
  14. そのまま空港内の別の場所に移動、待機(水とパンなどの軽食が置いてある)
  15. バスに乗って移動
  16. ホテル着、受付
  17. ホテルの部屋に入る

歴史、文化、思想、国家の政治形態、経済状況、人口規模や内訳、国民性や国民の考え方、デジタル社会への順応性など、俺が最近行き来している2国はあまりにも違うので、簡単にはどっちが良い悪いとは言えないけど、アブダビ入国時に掛かる時間はコロナ禍以降でも常に1時間以内であることを考えると、改めて日本とアブダビのあまりの違いに愕然となる。

部屋で支給された弁当で遅い夕食を取る。疲れていてお腹が減っていたせいか、これがまた美味しい。

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膨れたお腹で冷静になって考えてみれば、日本にやって来るすべての人々、日本人・外人、老若男女、スマホの有り無しなどにそれぞれきめ細やかな対応や配慮を完璧にしようと思ったら、上述のプロセスもありなんだろう。そうした考え方・行動様式(きめ細かく配慮して完璧を目指す)が日本中のすべての方法、プロセスに反映されている結果として、いろいろと時間が掛かったり効率性を妨げる部分もある。良し悪しは別として、それがニッポンなんだなと改めて納得してベッドに入るのであった。

完•日本への道•2021夏

前回の緊急帰国と違って、今回は時間の余裕もあり順調に日本への道は進んでいた。6日間のホテル監禁はショックなれど、その分事前の自転車短期集中訓練に精を出し、結局この1週間はYasサーキット、Yas公道、Al Wathbaサイクルロード、そして Al Hudayriatも熱風のなかでも3周30キロを走り、アブダビで走れるところはすべて走った。特訓満了と言えよう。

しばらく乗れない愛車アル・ラハ号と Al Hudayriat島からの夕陽を眺める。

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日本帰国の要件となっていた出国前72時間以内PCR検査も日曜日に実施して、無事陰性証明を入手。その他の書類やアプリのインストールも完了し、準備万端となっていた。

ところが直前に波乱が発生。実質2日前の日曜日午後に、社員一人のコロナ陽性が発覚。俺はその日に彼と打合せや報告を受けていたので、濃厚接触者と言えなくもない。俺自身はその日に既に陰性確定していたので、改めてPCR検査を受けるかどうかちょっと迷った。まんまん万が一陽性になると、直前にして日本に帰れなくなる。結局社員全員とともに、会社に派遣されたPCR検査を月曜日の午後受けることにした。この結果がなかなか来ない。ようやく陰性連絡が来たのが火曜日の午後、出発のその日であった。。

ホッとしてその晩は大先輩の Yさんと再び NIRIへ。Tシェフとともに楽しく語り合う。

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その後、家にいったん帰って準備して、無事いつものラウンジに着いてふうっと一息。

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今から愛する家族、友人に逢いに行きます!

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熱闘サイクリング

真夏だけどサイクリングに勤しんでいる。来週後半から予定されている日本でのホテル監禁6日間の運動不足に備えた、事前集中特訓といったところ。

火曜日の夕刻、Yasサーキット開放日。気温41度、湿度40%。お風呂に入りながら漕いでいる感じで、熱湯サイクリング。

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一部コースが改修中で、1周3.2キロに短縮されていたトラックを5周完走。いい湯加減でした(笑)。

金土の両日の朝はYasの公道フルコースを走る(約40キロ)。日の出まもない朝6時前後は気温30度台前半で、まあまあ快適。

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この時期の風物詩、ヤシの実(デーツ)収穫して干している様子があちこちに。

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朝だと Yas島西岸には大勢の釣り人が集まっている。

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さらに土曜日は、夕方 Al Wathba サイクルトラックまで出かけて砂漠コースを走る。

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18時から走り始めたが、砂漠コースゆえ気温まだ45度で湿度15%。こちらは乾式サウナ状態で、熱風が痛い。

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いつもは人で賑わっている湖エリアにも誰もいない。。

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当初は30キロを目論んでいたが、さすがに命の危険を感じて半分の16キロにする。

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あとは来週前半、H島と再度Yasのサーキットコースを走って、事前特訓満了としますか。

日本への道•2021夏

1年前の去年の7月頃のことを思い起こす。コロナ禍によりビジネス環境がますます困難化し、またロックダウン的生活関連規制も苛烈化して、ストレスがピークを迎えていた。そのため、日本への一時帰国を熱望していた。日々変化する関連情報に右往左往しながら、日本へのフライトが再開次第、逃げるように日本に帰ったものだった。今年はまだまだコロナパンデミックによる世界苦境は続いているが、昨年よりは少し先が見通せるようになったのではないか。

個人的にはこの7・8月期に3つの私的プロジェクトを構想していた。引っ越し、海外旅行、そして放送大学修士論文の草稿完成である。まずは引っ越し。前回ちょっと触れたが、何もお気に入りの和食レストランがあるから移るわけではなく、いろいろな事情が重なって場所を決めた。こちらはまだ場所が決まっただけなので、その後のプロセスも含めて別途記したい。

海外旅行は、7月18日の週にこの国でイード休暇というものがあって、ほぼ1週間休日となる。この貴重な休みを活用して、徐々に門戸を開きつつある海外に久しぶりに行きたいとリサーチを始めた。例えばエティハド航空が7・8月の特別便として、ギリシャの観光島に直行便を運航するとか、アブダビにも新会社を設立したエア・アラビアが東欧のサラエボに直行便を就航させるとか。いったんは双方の国で自宅待機等の規制は無いとの情報であるが、昨今のデルタ変異種の流行で今後どうなるかは不透明だ。

そんな中で、一番慣れていて行きやすい海外はどこかと思案した時、それは「日本」なのだとひらめいた。親父の初盆の墓参りもしたいし、家族も待ち望んでいた。上述の公的休日と、在宅勤務を組み合わせれば、何とかマネージできる。ということで、直ぐにエティハドの往復便を予約、一気に日本帰国ムードに傾斜していった。口の悪い友人からは、また帰るんですかと言われたりしているが。。

そうして徐々に気分が盛り上がりつつ過ごしていると、7月6日に日本国外務省から時々来る海外安全に関する情報配信があった。日本への入国者に対する水際対策措置の最新情報である。出国する国によってホテルでの隔離期間が変わるのである。UAEからは3日間であり、もしかしたらこれが解除かと期待して中身を見る。

アラブ首長国連邦からのすべての入国者及び帰国者については、これまでは、検疫所長の指定する場所(検疫所が確保する宿泊施設に限る)で3日間待機いただき、入国後3日目に改めて検査を受けていただくこととしておりましたが、令和3年7月9日午前0時からは検疫所長の指定する場所で6日間待機いただき、入国後3日目及び6日目に改めて検査を受けていただくことになります。

なんと、7月9日入国者から、これまでの3日間のホテル待機が6日間に延長になっているではないか。なぜ、どうして今、UAEがこうなるのか。確かに新規患者は1,500後半台のままだが、死亡者は一桁のままだし、ワクチン接種も進んでいる。なにもこの時期に倍にされる理由が見当たらない。。

ちなみに同じ配信の中で、エストニア、ナイジェリア、フランス、ルクセンブルク、米国とカナダの一部の州は、これまでの3日間待機が空港での検査が陰性であれば、待機無しと決定されたとある。これらの国とUAEは何がどう違うのか。科学的根拠を示せと言いたくなる。

邪推すれば、日本とUAEはそれぞれオリンピック・パラリンピック、万博と近々大きな世界的イベントが控えていて、なるべく海外からの入国者を押さえたいと思ってもおかしくない。そんな思案が一致したのか。そう思うと、今度は日本がUAEのグリーンカントリーから外されたらどうしようと暗くなる。まあ innsha-ra、先のことは考えないでおこう。

いずれにせよ、あの狭いホテルの部屋に6日間も閉じ込められるとは。オーマイガー!である。情報を受け取って10分ほどは、もしこの日の夜行便で出国すればギリギリ間に合うなとの考えもよぎったが、それはやはり無理な話であった。

さらに至近で追い打ちをかけたのが、東京の緊急事態宣言の再開と店舗でのアルコール供給禁止である。また日本での仕事関係の同僚や仲間との会食はダメになりそうだ。やはり日本への道はいつも険しく、難路だなあ。それでも帰りたいということだけどね。

いったん落ち込んだ気持であるが、最近はホテルでの6日間の監禁中に、第3のプロジェクトである修士論文を仕上げてしまおうと決意を新たにしている。

ニューフェイス和食誕生

アブダビに新しい和食レストランが誕生した。名前は『NIRI』という。アブダビのフュージョン系和食の有名店、ZUMAやTORINOSUで経営に携わってきたレバノン人のオーナーと、MATSUのシェフだったT氏がタッグを組んで、満を持してアブダビの Saadiyat島の新興レジデンス地区にオープンしたお店だ。

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俺はT氏と飲み友達で、前から新たなお店のコンセプトを聞いて楽しみにしていたので、開店初日の火曜日にさっそく出かけていった。海岸沿いに面したオープンで洗練された雰囲気、明るくて広い綺麗な店内、そして何より美味しい和食の数々が、リーズナブルな価格で味わえる。価格帯はMATSU とTOKIの間くらいか。

モダンな店内には寿司カウンターと、

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バーカウンター。ここに8月には日本人の女性バーデンダーも加わるという。

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眩い和食の数々。なめろう的な魚のミンチとスナック風海苔。

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キノコのHot Pot。濃厚な味噌味が特徴的。

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もちろん新鮮な刺身と、

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握り寿司。こちらは光り輝くスズキの握り。

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和牛のたたき。

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焼き鳥も美味しい。

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しめは日本蕎麦か、

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ニンニクの利いた焼き飯。

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開店初日から大人気で、早くも連日予約で一杯らしい。店内には日本人は少なくてエミラーティーにも人気。

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フィリピン人、ナイジェリア人、南ア人、ネパール人等の料理人を従えて、お店を切り盛りされている、我らがTシェフ。

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これまで、アブダビの和食と言えば俺にとってはMATSUかTOKIしかなかったが、このお店はそうした概念を一新する。ドバイの富士屋、木村屋ともちょっと違う、アブダビらしい大人向けの落ち着いた和食シーンを提供してくれる。

というわけで、このお店のご近所に引っ越すことにしましたです。

コロナ”事件”

2021年7月が始まった。日本にとっては世界中が注目する東京オリンピック開催の月である。コロナパンデミック下でのオリンピック開催について、さまざまな苦労・苦難の道であり、いろいろと言われてきたが、ここまできたら是非とも安心安全で実行して欲しいものだ。頑張れニッポン!

当地アブダビ首長国では、数週間前までは7月から観光ビザの受け入れを解禁し、より規制を緩和して国をオープンにしていくとの情報もあったが、現実はその逆だった。日本でも報道されたが、世界でも極めて厳しい感染防止策が、アブダビ首長国政府から唐突に発表された。以下6月30日付け日経新聞。

アブダビ首長国、ワクチン未接種は公共スペース入り禁止

【アブダビ=岐部秀光】アラブ首長国連邦(UAE)を構成するアブダビ首長国は8月20日から、新型コロナウイルスのワクチンを接種していない場合は学校やショッピングモールなどの公共スペースに入ることを禁じると発表した。世界でも極めて厳しい感染防止策が導入できるのは、強力なリーダーが統治する権威主義体制が背景にある。

対象にはレストランやカフェ、ジム、博物館、テーマパーク、教育機関などが含まれるが生活必需品を扱うスーパーや薬局は除外する。事実上の「強制」で接種率を引き上げるねらいとみられる。

15歳以下の子供や妊婦、病気などでワクチンが接種できない場合は例外扱いになる。運用には、ワクチン接種や検査、接触追跡などに使われる公式アプリが用いられる見通し。

UAEはイスラエルとならび世界最速でワクチン接種を進めた国だ。アブダビでは「目標グループ」の9割以上で接種が終わったという。

観光業に多くを依存し、比較的ゆるやかな制限を導入したドバイ首長国と対照的に、アブダビは厳しい感染防止策を続ける。ドバイの居住者も150㌔㍍の距離の「隣国」アブダビへ入るには事前のPCR検査が求められる。

UAEの居住者のほとんどは出稼ぎなどの外国人だ。政府の指示にそむけば職や居住権を失いかねず、強引なルールにも人々は従いがちだ。

わざわざ実施を8月20日にしているのは、1か月半見てあげるから必ずワクチンを接種せよとのことであり、もはやワクチン打たずんば人にあらずといったところだね。。そして確かにこの国で我々のような出稼ぎ外国人は、それがどんなものであっても政府方針に逆らうすべはない。

UAE全体での毎日のコロナ新規患者数が2千人台と高原状態にあり、またアブダビにおいては工場や現場のみならず、事務所でも再び感染者が増加しているという噂があり、アブダビ当局としては再度徹底的な締め付けに入るということだろう。

そんななかで、個人的にもコロナ関連でちょっとした”事件”があった。ちょうど一週間前の夕方、居住地の周辺を散歩していた。いつもはマスクをして出て、居住地区内ではマスクを外し、スーパーなどの公共地区に出たらマスクをしていたのだが、たまたまその日はマスクを着け忘れたまま公共地区で散歩を続けていた。一人の中年男性にハローと声を掛けられ、無視してそのまま歩いていたが、再度呼び止められて近寄ってくる。

「俺はポリスだ。お前2分以上マスクしてなかったな。罰金だ。エミレーツIDを見せろ(写真撮られた)、携帯番号言え。3日以内に連絡が入り、2日以内に文句があれば抗議しろ。以上」

この間、30秒もなかった。警官が立ち去ったあと、その場に呆然と立ち尽くした。ポリスカーも周辺になかったし、中年男性も普通の格好をしていた。覆面警官によるチェックだったのだ。こんな郊外の居住地にまで来るとは。オーマイガー!罰金は AED 3,000、日本円で9万円である。金額も痛いが、周囲で聞いたことがないので、おそらくアブダビ在住日本人による初めての罰金ケースではないか。。

落ち込みつつ、まあこれも経験さと諦めつつ1週間たったが、今日現在何の沙汰もない。もしかしてUAEの寛容の精神の表れか。ちゃんと反省して今後はしっかりと従いますので、なにとぞ神のご加護を。。。